97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「悪の法則」を観た
書くのが遅くなったが先週日曜に「悪の法則」を観た。内容にもよく合い、それなりに考えた邦題だとは思うのだが、なんだか邦画に聞こえる題名なんだよなあ。「The Counselor」でよかったと思うが。



砂煙舞うメキシコと南カリフォルニアが舞台。美くしいフィアンセとの結婚を控えたやり手の弁護士は、それなりに危ない社会の人間ともつきあって上手くやってきた人物。彼は資金稼ぎに一度だけ裏稼業の危険なビジネスを「One time deal」で行い、一攫千金を狙うがその取引はトラブルに見舞われ、巨大な麻薬カルテルの闇が動き出すことになってしまう。

「ノーカントリー」のピュリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーが書き下ろした脚本をリドリー・スコット監督が映画化。ペネロペ・クルスとキャメロン・ディアスのコンビは「バニラ・スカイ」と同じだ。闇のビジネスで儲けてる役のハビエル・バルデムやブラッド・ピットは、主人公にもっともらしい警告を事前に与えるのだが、麻薬カルテルの虚無的な闇が一旦動き出すと、彼らもまたあっさりと狩られる側に回り、逃げ惑うしかない。

主人公の弁護士役、マイケル・ファスベンダーは、ちょっとしたワルだが巨大な悪に翻弄され恐怖のどん底に落とされる主人公を印象的に演じている。最早何の救いも期待できないどん底で、主人公に届けられるある物。これを観た観客の脳裏には、まことしやかなブラッド・ピットの警告が走馬灯のように蘇るだろう。まさしくクライム・ホラー。大スターが出てるからと、気軽に出かけた観客は、バルデムの度肝を抜いたキャメロン・ディアスのフェラーリ相手の怪演(?)も含め、その毒気に呆気にとられるだろう。しかし細部まで実に印象的な映画。DVD出たら買うなあ。

オープニングからしばらくは大きな事件は何も起こらない。しかし全てのシーンに既に不吉な予感が基調低音のように低く響き渡り、画面のテンションは実に高い。全ての登場人物は、主人公に警告を与えるかのよう。しかしそれは何の助けにもならない。予定調和のように陥った陥穽の不条理。

なぜそうなるかの状況説明は親切になされてるとはいえない。しかしそれが逆に、不条理に主人公達を追い詰める虚無的な闇の力を印象的に成立させている。当たり前のように現れるニセ警官。日常茶飯事のように、トラックの弾痕を補修し、血を洗い流し、死体の入ったドラム缶をウインチで吊り上げる、ごく普通のメキシコ人労働者達が逆に恐怖を倍増させる。そして麻薬カルテルよりも、もっと怖い存在がいるという仕掛けも印象的だ。








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コメント
この記事へのコメント
先日清須会議見ました。やっぱり洋画の方が良かったかなと思いました。
2013/12/16(月) 19:34:50 | URL | ハヤブサ•ジェッター #-[ 編集]
個人的には、「三谷幸喜は、実は面白くないんじゃないか」という恐ろしい(笑)疑念を抱いてまして、彼の映画は選択肢には入らないですねえ。もちろん、絶賛の人もいるようですが。
2013/12/16(月) 19:56:05 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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