97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「エンダーのゲーム」を観た
「エンダーのゲーム」を観た。原作「Ender's Game」は1985年に出版。ヒューゴー賞・ネビュラ賞をダブル受賞したオースン・スコット・カードによるSFの名作なんだそうだが、未読。



昆虫型異星人による侵略をなんとか防衛した地球は、更なる襲撃に備え、更に来るべき恒星間戦争で異星人を殲滅しようとしている。地球防衛軍に指揮官候補としてリクルートされるのは、コンピュータ・ゲームによって3D認識やシミュレーションに習熟し、柔軟な発想と直感力に優れた子供達。

少年エンダー・ウィギンスは、ハリソン・フォード演じる教官に才能を見いだされ、苦悩の中で厳しい訓練を受けて成長してゆく。

軍隊の規律、リーダーシップ、昇進するたびに増える上官としての責任などを描くSF版の「2等兵物語」だが、その面ではハインラインの「宇宙の戦士」を思い出す。ただ、人類の戦争を終息させる能力と宿命を背負った少年の成長と苦悩は実に展開が早く、少年のままで次々と指揮官にまで昇格してラストまで。

天才性を見込まれ、悩みつつも育成プログラムの課題を次々クリアして昇進してゆく主人公、エンダーを演じるエイサ・バターフィールドは、サイコ感と新人類感にあふれた容貌で、なかなか好演。

少年少女ばかりの軍隊という想定なので、軍隊内の規律や古参兵によるいじめなどは本物の軍隊を戯画化して描いた感があるが、これはこれで面白い。訓練生時代の無重力状態での戦闘訓練は、映像も美しく背景もアクションもよくできている。

アメリカ映画で少年の主人公をいじめるのは、「憎々しげな大柄のデブ」というのはキャスティングの王道で、最初からそちらだけ目指している子役もいるのかもしれないが、この映画でも序盤は同じ。しかしエンダーが昇進した後、上官として現れるボンゾは、小柄で高圧的でヒステリックという、なかなか面白い人物造形。モイセス・アライアスという若い俳優だが、演技が達者で、歌舞伎でいうなら「赤っ面」として実に印象的に成立している。

映画は114分で、逆に急ぎ過ぎた感があるほどラストまで一気に疾走するのだが、指揮官になる卒業試験のシーンで大きなどんでん返しが。ハリソン・フォードやベン・キングズレーなどの大物が演ずる上官達が何故、まるで祈るが如き真剣さでエンダーの訓練に立ち会い、その成長や挫折に一喜一憂していたのかの謎が、最後に解き明かされる。あっという間の展開だが、実に大きなカタルシスあり。

そして「Ender」、「終わりをもたらすもの」は、新しい「始まり」へと彼自身の新しい旅に向かう。実に印象的なラスト。予備知識なく期待せずに観たが、実に面白かった。

原作は長らく絶版になってたようだが、このたび新訳が出た。「エンダーのゲーム〔新訳版〕」をAmazonで発注。

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