97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
心躍る大航海は始まったばかり。頑張れ「鮨竹」!
土曜日の夜は、銀座に出て「鮨竹」を初訪問。馴染みの「新ばし しみづ」で8年間修行した竹内史恵さんが独立して6月4日に開いた店。前から顔出さねばと思ってるうちに開店挨拶状が届いたので、早速電話で予約。

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「食べログ」にも店舗情報はもう掲載されている。店は交詢ビルにほど近い七丁目のビル4階。ビル入り口には小さな店名表示が。5時の開店と同時に入店。すでに4人組の馴染みらしい先客あり。

お久しぶりと挨拶して、あれこれ店の営業など伺う。相変わらず頭は丸坊主。「しみづ」での8年間もずっと丸坊主だった。頑張ってますなあ。今のところ夜のみの営業。まだ定休日は決めず年中無休で営業しているようだ。大変だが軌道に乗るまでは頑張るとのこと。銀座は日曜夜が厳しいかもね。

カウンタは8席。小さなテーブル席も作りたかったがスペースが取れなかったとのこと。もともとはイタリアン・バールだった店を居抜きで借りたのだが、結局全て内装を新装することに。女性が店主の江戸前寿司店というのは実に珍しいが、丸坊主黒縁眼鏡の男性の弟子も一人雇って2名での営業。

白木のカウンタにそのまま種を置く方式。まだ木地のままだが、そのうちにだんだん魚の脂で色が着いて年季が入ってくるのだろう。

種札は知り合いの書家が書いてくれたとのことだが、達筆すぎてなかなか読めない。「小柱」が一番難問だとのこと。実用面から考えると、ちょっと崩し過ぎか。しかしひっくり返すと、裏はきちんと楷書で書いてある。リバーシブルだ。なるほどねえ

お通しは水茄子。爽やかに塩で食する。お酒は4種類置いてあるというが、どれも始めて聞く銘柄。群馬だという純米吟醸「淡緑(うすみどり)」を頼んでみた。すっきり淡麗よい酒。今のところ酒屋と相談しながらあれこれ銘柄を試している段階で、これからレギュラーのラインアップを決定してゆくとのこと。その後で博多かどこかの純米酒貰った記憶あるが名前は忘却の彼方なのだった(笑)

どうしましょうかと問われたので、しばしお酒飲むので、つまみから見計らいで始めてもらう。

まずカレイ。肉厚で立派な身を薄く引く。上品な脂。タコも大きなもの。「しみづ」のものに近い。カツオは背の部分。薬味のネギは醤油と共に叩いてある、醤油は使わずそのまま身に乗せてくださいと。

アワビは実に立派なもの。これまた「しみづ」流にごろりと塊で供される。蒸し器で蒸しているとのことだから、製法はちょっと違うか。しかし芳醇な旨味は一緒。トリ貝は肉厚で爽やかな甘味。シャコは、カツブシ入りにするかどうか聞かれたが、個人的には無いのが好き。まあ好き好きですな。「しみづ」では最近出ない漬け込みの仕事。平貝は薄く切って醤油つけて炙る。「ここで普通は握りになりますが、もう一品おつまみ準備しますか」と問われたので所望。ウニが出てきた。これは脂より旨味が勝つサッパリ夏のウニだ。

ここからお茶貰って握りに。

まずキス。かなり〆てある。酢飯は「しみづ」同様赤酢の色が濃い。口中でほぐれる固めの酢飯、握りの形は「まつもと」よりも「しみづ」に似ている。

白身はイサキ。皮目が綺麗な爽やかな夏の白身。マグロは赤身、そして中トロと。これもしっとり旨味があって結構。コハダは新子を2枚づけで。分厚く脂あるのはもう手に入らないのだとか。光物でイワシ。これはまるで「與兵衛」で出てくるような、十分脂の乗った肉厚のものを強く〆た仕事。脂がネットリとして実に美味い。「しみづ」はイワシ使わないのだよなあ。

軍艦巻きにした小柱はいわゆる大星、実に立派。海苔と小柱がまたよく合う。アナゴは1貫を半分に割って塩とツメとで食する。巻物の前にまだ出てないもの確認して、カスゴを貰う。これも美味い。最後はカンピョウ巻を半分で。

握りの大きさは、やはり銀座では大きいみたいですと。しかし酢飯は皆「しみづ」より軽いというのだが、変えてないのだとか。確かに色はほとんど同じ。握り手によっても印象変わるのか、酢を合わせてからの時間にもよるのか。不思議なもんだね。

酢や塩が強いと白身やイカに合わないと言う人もいるが、個人的にはそんな事ないと思うが。ただ酢飯の味がわかりやすい種とそうでない種があるのは事実。

寿司種仕事のベースは明らかに「しみづ」の仕事。酢飯も同様。しかし寿司種やつまみの供し方にはところどころ明らかにオリジナルの工夫あり。修行した親方の優れた仕事と自分で新たに工夫した仕事のハイブリッドが出来るのが、やはり自分の店を持つという醍醐味なのだろう。

「新橋鶴八」の石丸親方は、修行した神保町「鶴八」の仕事を忠実に守っているが、弟子の仕事には鷹揚で、酢飯にしても、「まあ自分が良いと思った通りにやればいいんですよ。「しみづ」とうちだって違うでしょ? でもそれでいいんです」と以前語っていた。師岡学校で仕込まれた苦労人ならではの度量の大きさですな。

開店から一ヶ月半。まだまだ大変だろうが、修行中の通り、明るく快活に頑張っているのにはなんだか安心した。

修行した店で学んだことを活かし、自分なりの工夫も加えて、そしていずれ自分だけの客を掴んで行く、心躍る大航海は始まったばかり。これから嵐も凪もあるだろうが、末長い旅の無事を祈りたいね。頑張れ「鮨竹」!

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期待の新店
期待の新店のようで、九州の寿司店でも話題になっておりました。
8月には築地での鮨種の仕入れも兼ねて、九州の星付寿司店の店主たちが貸切で来店するとかの話をしてました。ヴェテランぞろいの怖いおじさんばかりの集団であり、でも親切な人ばかりなので店内では鮨の話ばかりが飛び交うことが想像できます。
私も東京に行ったときに訪れたいと思っていますが、そのときの話などを聞きたいなどと思ってます。
2014/07/30(水) 21:49:35 | URL | 九州人 #mQop/nM.[ 編集]
有名寿司屋の親父達が貸切で来店するというのは、恐ろしい話ですねw まあ、ぶつかり稽古で鍛えてもらうと、本人がまた伸びるのでしょう。
2014/07/30(水) 22:50:39 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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