97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「プロフェッショナル 仕事の流儀 ~坂東玉三郎の仕事」
値段が安くなってたのでAmazonで発注したDVD、「プロフェッショナル 仕事の流儀 ~妥協なき日々に、美は宿る 歌舞伎役者 坂東玉三郎の仕事」 を観た。

当代の歌舞伎界を背負って立つ立女形、坂東玉三郎に密着したNHKドキュメンタリー。制作されたのは、まだ歌舞伎座が建て替えられる前。玉三郎が57歳とキャプションが出るが、今は64歳なのでもう7年前だ。

玉三郎は梨園の出でなく、舞踊が子供の頃から大好きでこの道に入った芸養子。女形としては身長が高すぎると批判され、どうやったら身体が小さく見えるかと苦悩した日々。若くして主役に抜擢され人気が出たが、心身が疲れ果て、突然体が動かなくなり鬱状態に。振り返ってみると30カ月興行を休んでいなかったというのも、歌舞伎役者という稼業の凄まじさを感じさせるエピソード。歌右衛門との確執は、あまりにも生臭いからか、触れられてはいなかったが。

素顔の玉三郎は優男の初老の男性だが、楽屋で鏡台の前に座り、顔を作って出て行くと、夢幻の如き「女」が舞台に立ち現れる。

髷の額の形、また歩く際の姿勢や重心の取り方、頭のてっぺんをどちらに向けるかなどで、若い女か年増の女かを演じ分けるという歌舞伎の約束事を解説する部分も実に興味深い。歌舞伎芸の根幹をなす形というのは、実に深い人間観察から生まれている。

興行が始まると、毎日舞台の終了後は寄り道せず直ぐに自宅に帰り、身体のメンテナンス。朝も起きれば劇場への繰り返し。肉体はどんどん老いて行く、約束してもいつか出来ない日は来るので、遠い先は見ない。ただいつも、明日の舞台だけを目標に毎日を過ごして来たのだという述懐も、芸に生きる役者魂を感じさせて味わい深いもの。実に面白いDVDだった。

司会はこれまた懐かしい。茫洋として、何のクオリアも感じさせず、誰しも答えに詰まる凡庸な質問を振る茂木健一郎。私が頑張らねばと、張りきって前に出るが、明らかに空回りする住吉美紀の「仕事の流儀」コンビだ。(余談ながら、住吉美紀はこの後フリーになり民放で午前の番組のメイン司会やったが、同じ調子でやらかして自爆した気がするねえ)

寿司に関する本や雑誌、DVDについてはもう相当漁りつくした。今度は、歌舞伎関係の本やらDVDの探求に時間をかけてみるか。ただ、松竹の歌舞伎名作選DVDは、どれも値段が結構高いんだよねえ。

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コメント
この記事へのコメント
舞踏と舞踊
いつも貴Twitterならびにブログを拝読しております。

古今東西幅広い記事には敬服しております。

歌舞伎の方にもこれから探究を深められる由、お仲間が増えるようで嬉しい限りです。

さて、ダンスの訳語として舞踏と舞踊の二つがあるのはご承知の通りです。しかし、歌舞伎では日本舞踊と密接な関係があり、舞踏という言葉は使っておりません。舞いと踊り、これが日本舞踊の特徴だからだと思います。
2014/08/01(金) 22:38:49 | URL | 六条亭 #qQ020g7c[ 編集]
なるほど。勉強になりました。

舞踊と舞踏の違いについては、調べると結構あれこれネットにも記事がありました。

http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa748700.html
2014/08/02(土) 08:35:42 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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