97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
新開店 「新橋鶴八 分店」訪問。健闘を祈る!
「新橋鶴八」の前回訪問でも開店の事を聞いたし、そろそろ行かねばならないなと思っていた「新橋鶴八 分店」をようやく訪問。仕事が片付きそうなので夕方に電話すると当日でも入れるという。

勿論知っていたが、本当にニュー新橋ビル二階、本店である「新橋鶴八」の横にある中国系マッサージ店を挟んですぐ隣という驚愕のロケーションに店が開いてたのであった。

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6時に入店してみると先客二組3名。店を入ると右側奥に四人がけのテーブル席。真っ直ぐ奥に伸びたカウンタ席は7人掛け。新しい店というのは隅々まで凛とした清々しい雰囲気があって実に良いねえ。白木のカウンタに寿司を置く「新橋鶴八」スタイル。

新橋鶴八で18年という、鶴八系通算しても弟子歴最長不倒記録を打ち立てた後で独立した五十嵐親方は、もともと飄々とした雰囲気であるが、つけ台に立つと、本店にいた時よりもちょっと凛々しくなった雰囲気。つけ台の中は一人。外には手伝いの女性一名。

席について、開店後の状況を聞かせてもらう。昼はおきまりの握りのみ出すということだが、さすがに満席になると手一杯。「昼が忙しければ、石丸親方が手伝いに行ってやると行ってたが」と問うと、さすがにそれはなんなので、本店からは若い弟子に手伝いに来てもらったそうである。仕込みも一人でやってると手一杯だとか。仕入先は小物は基本的に本店と同じ店だというが、やはり別経営なのでこれからあれこれ試行錯誤も始まるのだろう。

夜の部の営業は、まだそれほどいつも満杯という訳ではなく、以前から本店で知ってる客がほとんどとのこと。まあ路面店ではないし、周りは中国系マッサージの勧誘だらけだから、フラフラと歩いてる客が入ってくる場所じゃないんだよねえ(笑)。

種札は「新橋鶴八」とほぼ同じラインアップ。珍しいものはない。ただ白身はまだ一種類しか置いてない由。「新橋鶴八」は夏はカレイ、冬はヒラメだが、もう少し脂のあるものを好む客用に、夏ならシマアジ、冬ならブリを置く。ただ分店は、今の予約状況では白身はまだ一種類しか置けないとか。種を明日に残すのを嫌い、よい物から使い、切れたら終わり。毎日次を仕入れする鶴八系の伝統をキッチリ引き継いでいるんですな。

とりあえず冷たいお酒を所望。新橋鶴八は菊正宗だが、ここの銘柄は違うとか。酒は片口で供されるのだが、なみなみと注いであってどう見ても一合以上ある。しかし、これはどうも手伝いの女性がまだ慣れてないため、注ぎ過ぎた模様。ずっとこうやってくれても客にはよいが、店には困るだろう(笑)

システム的には本店をほぼ踏襲しており、種札から好きに注文するスタイルでコースやおまかせはない。ただ、つまみを3品程度とか、握りを5貫とか言ってもらえば、適当に見計らってお出ししますとのこと。このあたりは最近、本店でも割と柔軟になってきて同じようにやってくれるので違いはあまりない。

お通しには炙ったバチコが。これは本店ではお目にかかったことないが、実にお酒に合う。とりあえずいつも本店でやってるのと同じように頼もうかとまずはヒラメ。旨味もあり良い物を引いてると思うが、本店が大きく身の厚い物を入れて厚めにブツブツと切って多めに出すのに対して、割りと小ぶりの物で、若干薄く切りつけ量も少ない。本店の豪快な出し方も好きだが、女性にはこっちのポーションのほうがよいんじゃないかな。

伺うのを忘れたが、醤油は本店と若干違う気がしたな。アワビ塩蒸しは、新橋鶴八直伝のまさに同じ仕事。香りよく旨いねえ。アジは酢にさっと潜らせてから切りつけるのも鶴八流。つけ場のまな板はこちらの店の設計のほうが高く、客から見やすい設計。

ハマグリ、シャコと煮物のつまみ。若干味が薄いように感じたので問うと、漬け込み種は、仕事は同じだが本店よりも心持ちだが甘味を抑えてあるとのこと。これまた若い人にはこちらのほうが合うかもしれない。私はオッサンだから(笑)本店の甘辛でもいいなあ。

初回の訪問なので、この辺りでお茶を貰って握りにすることに。お茶の差し替えなどのオペレーションは、前やる女性も慣れてなかろうし、人数も限られてるのでまだ本店と同じとは行かないがすぐに改善するだろう。

まず中トロ。マグロは本店とほとんど同じ。太巻きもある由。コハダを注文すると、小さいのもあるのだが、肉厚の分厚いのを2貫握ってきた。これは新橋鶴八伝来の味。アナゴもほとんど変わらない。勿論、「神田鶴八鮨ばなし」にあるように、煮汁も煮ツメも本店から分けてもらってきたとのこと。、カンピョウ巻も海苔の香りも新橋鶴八と同じだ。

ただ、若干酢飯の具合が違う気がする。五十嵐親方によると、新橋鶴八で教わった通りにやってるとのこと。しかしこの前、立て込んだ時に酢飯が足りなくなって横の本店にしゃりを借りに行った時(←そうです、そんなこともやってるらしいですよw)、シャリ鉢に入れると、自分の酢飯と具合が違って、アレと思ったとの事。実際には、飯炊きはその下の弟子の仕事で長くやってなかっただろうから、案外に細かい差が開いたのかもねえ。本店のほうが若干水分量少なくふっくら甘味がある気がする。この辺りはいずれにせよ仕入れる魚との相性もあるから、おそらくこれから微調整が始まるのだろう。石丸親方は前にも聞いたが弟子の仕事には開明的で、「酢飯だって自分の好きなようにやればいいんですよ」と言ってたが。

新橋鶴八も、元々リーズナブルな値段の店だが、この「新橋鶴八 分店」は、それより若干遠慮した値付け。いまなら多分予約も取りやすい。「新橋鶴八」には年季の入った大常連がゴロゴロいるし、石丸親方も一見強面に見えるから、それが気になるなら、こちらの「分店」のほうが気楽に使えて、若い人だって来やすいんじゃないかな。

もっとも、本店「新橋鶴八」の石丸親方は、一見ぶっきらぼうに見えるけど、実はシャイで話してみると温かい気配りのある人。特別扱いして常連だけに愛想よくすることなんかない。初めての客だって別に居心地悪いはずはないのだが、客と親方の年齢差が気になるなら、若い親方で新橋鶴八伝来の仕事を全て身につけた直系の仕事を味わえるこの「分店」がお勧めだ。勿論、「しみづ」もそうなのだが、この「分店」はまだ空いているのが狙い目(笑)。

とりあえず、「ブログで宣伝してくださいよ」というので写真一枚。

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この船出は、「しみづ」から出た銀座「鮨竹」のような、単身での風荒い外洋への船出ではなく、むしろ本店のある意味庇護にある、内湾からの静かな船出。それもまたこの茫洋とした大器の雰囲気ある親方に合っているのだろう。しかし、いずれこの航海も、新しい道の模索や承継かの決断に直面するだろう。自分の考えのままに、信じる方向に舵を切って悠々と自分の道を行けばよいのだと思う。船出に健闘を祈る!

どうぞ皆さん、空いてるうちにこの「新橋鶴八」の仕事をきっちりと伝承する分店に是非どうぞ。

(お店の情報)
「鮨処 新橋鶴八 分店」
港区新橋2-6-1-204(ニュー新橋ビル2F 新橋鶴八の一軒おいて隣)
Phone:03-6206-6886


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