97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新橋鶴八」本店にて分店を語る
先週水曜日に「新橋鶴八」。分店にも二回ばかり行ったが、巡回する店が増えると大変だ(笑)

会社を出てから電話するとお弟子さんが直ぐに出る。空いてるか聞くと「大丈夫でございます」と即答。早速入店すると、珍しいことにカウンタは私だけ。本当に大丈夫だ(笑) 

親方は「今日は日本シリーズだからダメなんですよ」とぼやく。最近の若者にはサッカーのほうが人気だが、ここの店の常連は古い野球世代が多く、日本シリーズともなると家に直行してますよと。TVを置いてある寿司屋もあるが、やはり真っ当な江戸前寿司にTVは似合わない。

まず冷酒を貰う。お通しは軽く湯に潜らせたスミイカのゲソ。つまみはまずヒラメ。肉厚で旨味あり。塩蒸しも香りがよい。サバも脂が乗ってきたなあ。

あと一組7時台に予約が入っているというが、カウンタはばしばし私だけ。こんな静かな夜は珍しい。親方と「分店」のことなどあれこれ雑談。

場所よく知らないで来た客は、エスカレータで上がってくるとまず分店が見えるので、間違えてそっちに入るのではと冗談言うと、あそこは角店で目立つ良い場所なんで、前のバーが廃業した時、お弟子さんの奥さんも一緒に呼んで、思い切って借りてやってみろと独立を強く勧めたのだという。

平日昼の予約電話が入ってくることが時折あるのだが、それは全て分店にどうぞと回しているとのこと。そういえば本店に来た取材依頼も回してくれたと「分店」で聞いた。普通、弟子にここまでやってくれない。強面に見えるが、石丸親方は実に度量が広くて心のやさしい親方である。

昼の営業は大変だろうが、やったほうがよいとのこと。寿司屋は(〆もの等を除き)仕入れたそばから品物の質が落ちてゆく。開店の当初は誰でも良い物を仕入れる。お客が減た時でも我慢して悪い物を出さないで頑張れるかどうかが勝負。お昼をやると品物が動く。売れるだけ仕入れて品物が回るようにするのが大事なんだとか。「神田鶴八鮨ばなし」でも同じ事が書いてあったな。

商売の具合も時折聞いているようで、「分店は若いお客が多いみたいですよ」と石丸親方。まあ若い人には親方の年齢が近いほうが居心地よいかも。本店の客でも分店では威張るのがいるらしいねと尋ねると、「新橋鶴八」でも開店当初は、「神保町」の師岡親方の前ではおとなしくしてるのに、新橋に来るとむやみに威張るのがいた由。「そんなお客はこっちから切ったんですよ」と石丸親方が意外に怖い話をサラっと語る(笑)。

客だからと店に威張るような人間はあきませんな。もちろんどんな店でも委縮する必要はない。客なんだもの。ま、結局はそういうことでしょうな。

結構談笑してたのでいつもより遅くなった。握りはいつもの通り。中トロ、コハダ、アナゴ、カンピョウ巻。いつもの物がいつも通り変わらず美味い。いぶし銀の職人技。

分店も、本店の仕事を受け継ぎ、自分なりに工夫して頑張っている勿論実によい店だが、食後にズッシリした満足感を感じるのは、やはり年季の入った本店かな。


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