97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
高倉健「NHKスペシャル」と「プロフェッショナル 仕事の流儀」
録画してあったNHKスペシャル、「高倉健という生き方」本人ロングインタビューと、同じくNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」高倉健スペシャルを両方見た。

過去日記にも感想を書いたが、結果的に遺作となった「あなたへ」の撮影中に高倉健が応じたNHKロング・インタビューが素材。インタビュー・ソースは同じでも、内容の重複は最小限で両方見ると実に興味深い。いつまでも生きてる訳じゃなし、自分の事もそろそろ語っておかないとと思って、という本人の述懐は、亡くなった後で聞くと実に複雑な心境になる。

高倉健が生まれたのは気性の荒い男達が集まる九州の炭鉱町。子供の頃は、祭りの後など喧嘩があると翌朝にはムシロを掛けられた死体が街角に転がっていた事がよくあったのだそうである。歌舞伎の世話物でもすぐに殺人が起こるが、昔の江戸なんかでも多分そうだったんだろうなあ(笑) 

本人にも短気で激しい血が流れており、映画俳優初期に出演してスターへの足がかりとなった初期の任侠物は自分の血にあっていたのだと本人は語る。

しかし年間10本も撮影するようなルーチンに疲弊し、途中でポルシェに乗って旅に出て、撮影を三カ月もすっぽかしたことがあるのだとか。やがて高倉健は映画会社を退社し、独立した映画俳優としての人生を模索することになる。

重厚な俳優としての再出発の基準点ともなった映画「八甲田山」の撮影には三年間かかったが、高倉健はCM等他の仕事を一切いれず、自宅マンションもベンツSLも切り売りしながら映画だけに集中したのだとか。

「生き方が芝居に出る」。

身体を鍛え体型を維持し、出演映画は自ら納得のゆくものを選び、本を読んで下調べをする。身内の葬式には出た事がない。そんな事で撮影を休みにするのはプロとしての挟持が許さないのだという。

私生活では飄々としてジョークも飛ばす。撮影現場ではスタッフや他の出演者、地元の人に至るまで気軽に声をかける。気が抜けてしまうからと撮影中は一切座らない。威張らず騒がず、静かに撮影に挑む。生まれ育った川筋者の気質を、高倉健が自らどのように律してきたのか、そこに高倉健が高倉健として確立した秘密があると思うが、そこまでは本人の口からは語られない。

私生活を秘密にして、スクリーンでも実生活でも一貫した「高倉健」という存在を演じきった男。まさに銀幕のスターという名前にふさわしい俳優だった。


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