97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ゴーン・ガール」を観た
日曜日に、「ゴーン・ガール」を観た。

デヴィッド・フィンチャー監督作品。この監督の作品では「ドラゴン・タトゥーの女」や「ソーシャル・ネットワーク」もよかった。時制をめまぐるしく変えながらも緊張感を持って物語を描くのが実に上手い。

子供の頃から母親が書いた本で「Amazing Amy」として描かれ、全米に名前が知られる人気者だったエイミーは、同じライター業の男性と結婚する。しかし夫が不況で失業。義母の病気看病もあり、二人は夫の故郷に移り住むことに。

5年目の結婚記念日の朝、夫の留守中にエイミーは姿を消す。室内には争った後と大量の血痕。警察は夫を疑い、うまく状況をコントロールできない夫の妻殺し疑惑をメディアが大々的に報じ始める。

前半部分、観客は一種「神の視点」から、妻が自分の過去日記を読みあげるシーンを見せられ、この結婚生活の過去、随所で起こり始めた亀裂や不協和音を追体験することになる。これは結局のところミス・ダイレクションで、映画的な文法としては若干フェアではないのだが、しかし後半のどんでん返しの効果を実に高めている。

「世の中、怖い女もいるものだなあ」という、単純なサイコ・スリラーとして観ても楽しめるが、男と女の根源的なすれ違いを描いたストーリーとして捉えると、もっと怖くなる(笑)

常に理想の便利な女を求める男の、身勝手で呑気な幻想を凍りつかせる「アメイジング・エイミー」。演じるロザムンド・パイクは実に印象的。ベン・アフレックは、妻の真実を迂闊にも知らず、状況にただ翻弄されてゆく「naive」な男としてきちんと成立している。

When I think of my wife, I always think of the back of her head. I picture cracking her lovely skull, unspooling her brain, trying to get answers. The primal questions of a marriage: What are you thinking? How are you feeling? What have we done to each other? What will we do?





ベン・アフレックのモノローグに続いてベッドで夫を見上げるロザムンド・パイクのショットは、映画冒頭とラストと二回繰り返される。その顔に浮かぶのは虚無であり、眼の奥に潜むのは、男には理解できない女の深淵の謎だ。

女は何故急に怒るのか、何故急に不機嫌になるのか、そんなことすら男には分からない。結局のところ、男には女は分からないという、どこか根源的な問いを思い出させる実に印象的な映像。Bob Dylanの「Just Like a Woman」を思い出した。そう、日本の歌なら「黒の舟歌」か。

どこか虚無的なラストへと疾走する、スピードの早い展開とどんでん返し。印象的なショットを重ねてまったく退屈しない149分に仕上がっている。DVD出たら買うなあ。


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