97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし笹田」訪問。
今週は久々に「新ばし笹田」訪問。

一月中には訪問しないとと考えていたが、結局、なんだかんだで二月になってしまった。一月はアッという間だ。すでにカウンタ奥には四人組が到着済み。この夜は満席。年末に持って返ったカラスミが実に素晴らしかったことなど笹田氏に伝える。

「予約頂いた時にはまだ空きがあって大丈夫だと思ったんですが急な予約で埋まってしまって」とのこと。商売繁盛で結構。混む前にさっさと出してもらって退散しなくては(笑)

歌舞伎役者のような二枚目のお弟子さんに、兄貴は「鮨竹」で頑張ってるかどうか訊くと、休みが欲しいと言ってるとのこと(笑)。年末年始も休まず6月までは年中無休で営業。予約もずいぶん入っているのだとか。結構な話。

お酒は磯自慢大吟醸を貰って始めてもらう。

まず小さな器で供されたのは粕汁。酒粕は九平次のだというが、実に芳醇で甘味と旨味があるって身体が暖まる。関東ではあまり粕汁は食されないが正に寒い時の滋味あふれる一品。粕汁とかやく御飯を出す食堂が近くにある関西の街なんかにリタイア後に住むのもよいよなあ。うどん屋やお好み焼き屋も近くにあってね(笑)

葉山葵の和え物は、細巻海老、平貝、赤貝と魚介をあしらい、スッキリした酢の物。接待で個室会席などに行って、この手の先付けを食しても、海老や貝は何の味もしない場合があるが、ここの料理は何を食しても、きちんとその素材の素晴らしい味がする。全てに笹田氏の手がかかり眼が光った実に丁寧な仕事。

壬生菜と油揚げの煮物はいつもの定番。素朴なお惣菜料理だが、いつもなんで旨いのかと不思議になるほどほっこりした旨味。ナマコには海鼠腸をあしらって。ナマコは青森の青ナマコ。子供の頃はいったいナマコの何が旨いのかと思ったが、大人になってみると酒によく合う乙な味だ。

お造りは、ヒラメ、スミイカ、天然のホタテ、大間のウニ。ヒラメは上質な脂あり。ホタテは塩と酢橘で。もっちりした旨味。ウニは癖やエグ味なくサラリと旨味と共に溶ける。ここの刺身の質の良さにはいつも驚かされる。同じ質のものをかなりの量用意しないといけない寿司屋の仕入れと、ポーション少なく良いものを少しだけ出せばよい料理屋の仕入れというのは、多分ちょっと違うところがある。

お椀はあん肝豆腐。白身のすり身も入っている。生姜が効いて餡かけに。しっかりした出汁にあん肝の旨味が溶けて崩れる。焼き物は太刀魚の塩焼き。あっさりした脂が乗る実にふっくらした身。塩加減も絶妙。決して奇をてらわない、焼き魚のシンプルな美味さの原点をここに感じる。

煮物は、これまたここの定番、京野菜のおでん。昔、まだ前の場所で開店して間もない時、週刊誌の巻末ベージにここが新進気鋭の店として紹介されたが、カラーで1ページ載った料理がこれだった。たっぷり出汁を含んだ聖護院大根、京人参、コックリ煮上がった海老芋、自家製すり身揚げ、炙った鶏皮、半熟のうずら玉子。出汁がまた品よく旨い。今シーズンはこの夜で供するのは最後とのこと。もうそろそろ料理も春のラインアップに変わり出すのかな。

〆のご飯に。タイミングを見計らって炊飯土釜で炊きあげた艶々の白御飯が。赤出しと、ちりめん山椒、自家製のお新香、山葵漬けが添えられる。お代わりはお焦げを添えて。最後は香り高い煎茶に、これも定番の冷製の白玉ぜんざい。

目を見張る豪華なプレゼンテーションも、奇をてらった食材の使用もない。淡々と供される料理に五感を研ぎ澄ませて向き合うと、真摯に仕事をした料理人の仕事に心が温まる。そんな真面目な店だ。本当は大人数の接待には向いていないと思うのだが、まあ店の商売上はやはり部屋に客が入ってくれないと困るだろうね(笑)

立て込む前に勘定済ませて、笹田夫妻の見送りを受けて満ち足りた気分で帰路に。もっと来ないといかんね。
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