97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
西大島「與兵衛」訪問。
日曜日は西大島「與兵衛」訪問。 このところ出張やら会食やら大相撲五月場所などで忙しかったので、すっかり間が空いてしまった。

何時もの人形の角を曲がり、西大島銀座をブラブラと。

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7時ちょうどに店の前に到着すると、奥さんが暖簾を出そうとするところ。入って大丈夫か聞くと「もうお客さん入ってるよ」とのこと。早いね(笑)

本日の大吟醸は「初亀」とか。飲んでみるとくどい吟醸香はなくすっきりした辛口。前回訪問時には札が消えていた「十四代 本丸」も復活。700円で提供というのが凄い。

まずいつも通りお通しの一皿。海老頭、イカのヅケ、ホタテ煮浸し、マグロ中トロヅケ、シャコ煮浸し。あれ、思い出すと種札にはアワビがあったが、出なかったな(笑)。

切りつけながら親方が、「シャコは小柴です」と。他の店でも見たが最近ちょっと漁獲が復活したようだ。もっともまたすぐに消えるかもしれないが。日本から輸出される海外の寿司種の話やらワインの話やら、親方軽妙のな雑談に付き合ってあれこれ。お酒は十四代に切り替え。

頼まずとも適当なところで握りに移行する。まず赤身のヅケ。硬めにスッキリ炊かれた酢飯にこの滋味がよく合う。握り方にも独特なものあり。ただ柔らかく握られただけなら、酢飯は口中に放り込んだとたんにだらしなくホロホロ崩れる。しかしここの握りは、どんな技術か分からないが、上の寿司種を噛みしめる都度に、まるで種と混然一体と崩れるように、意図を持って握られているように毎回感じるのだった。

親方に言わせると、寿司は種と酢飯のマッチングが全てだというから、確かにそう自慢できる仕事した種、酢飯と握りの技術なのだ。 精妙な差なのだが、この価値が分からない客は気の毒というか。

皮目を香ばしく焼霜にしたシマアジは、ここでしか食せないスペシャルだが、産地を聞かれれば養殖だと答える。天然かどうかはこの仕事にはあまり関係無いから。しかしシャコは小柴があったり、光り物やアナゴ等の産地は、信頼する仲卸が厳選したもの。

カレイは甘酢ヅケと胡麻醤油ヅケの両方で供される。夏の白身らしい爽やかな脂。ヅケのイカ、甘酢を潜らせてからオボロを噛ませる海老。シマアジは薄切りにして3枚つけて握る。これも酢飯との相性が素晴らしい。

トリ貝は小ぶりだが爽やかな甘味。北寄貝も軽く火を通し甘酢に潜らせて他所では食べたことのない甘味を引き出す。ここから光り物。キス、アジ、イワシ、どれも酢飯と実によく合う仕事。ハマグリ、アナゴ。古式を残すツメは、アナゴにイカの煮汁、そしてハマグリの出汁も加えて煮詰めてあるのだとか。最後に玉子を貰う。この店にしかない独特の仕事を堪能した満足感は比類がない。勘定を済ませて外へ。奥さんが「タクシーで帰るの?」と聞くから、そうだというと気さくに、「こっちのほうから行ったほうが早いよ」と。確かにそうだ(笑) でもってタクシー帰宅。

帰宅して「早川光の最高に旨い寿司」を録画で。前回に続いて「鮨 つかさ」登場。先週行った時に触れていた天然鰻というのは、島根県の宍道湖だとのこと。以前「新ばし久」でも焼いたのを食べたが、確かに香ばしくも爽やかな脂だった。でも寿司種ではないなあ。

「鮨つかさ」は、仕入れる魚も極端に大きかったり、脂が乗リ過ぎてたりすることがない。自分の酢飯と他の魚のラインアップとのバランスを常に考えた、仕入れと仕事。なんでもかんでも一番脂が乗って旨味があるのを入れたらよい寿司になるのではない。そこに寿司屋の熟練の技の不思議がある。築地で仕入れて消費者に売る魚屋よりも、寿司屋というのはずっと難しい職人仕事だ。

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