97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
芸術祭十月大歌舞伎、昼の部を観た
先週の土曜日は、歌舞伎座昼の部。

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花道すぐそばの席。花道が近ければ舞台中央はちょっと遠い。席はどこでも一長一短か。前列斜め前の老夫婦が年齢割にはどちらも相当な「座高の実力」あるタイプで、しかも時として前のめりになったり頭を寄せ合ったりするので舞台中央が見えなくて往生したが、まあこればかりは運だから。

「音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)」は、花形連が演じる歌舞伎の様式美に満ちた舞踊劇。だんまりは真っ暗闇で相手を探りながらのゆっくりした動きを表す歌舞伎独特の演出だが、松也、梅枝、萬太郎、尾上右近、児太郎、権十郎が賑やかに舞台全面に広がって、次々位置を変えて行く。 幕外の引っ込み、松也最後の飛び六方は、割と変わった所作だが、花道横で見たのでなかなか迫力あり。

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20分の幕間を挟んで、二世尾上松緑二十七回忌追善狂言、「歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)」は、二世松緑の孫、当代松緑が曽我五郎を演じて奮闘。白目がちで独特な眼力の鋭さが、荒事の豪快な出で立ちに不思議によく合っている。紅楳白梅が散りばめられた舞台で正月のおせち料理を入れ込んだ「つらね」はお目出度い演出。もともと新春の公演でよく出るらしいが。五郎の夢の中という設定で上手より曽我十郎役の藤十郎が人形の如く登場。ほんの短い間だが追善に華を添えて客席は沸く。

ここで35分の幕間。三階の花篭にて「はなかご膳」で一杯。

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「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」は、去年の歌舞伎座、吉右衛門でも観たが、今回の仁左衛門は、また独特な、公家風で高貴な雰囲気を残す作り阿呆ぶりが実に印象的。ふと見せる素顔の雅な所と品のある作り阿呆の対比が面白い。吉右衛門は最後に切り落とした首を放り投げて弄び、心を侵食しつつある狂気をも鮮やかに見せるが、仁左衛門バージョンはまた違った感興を残す。

ここでまた20分の幕間。夜の部とは違って幕間が多いな(笑)

昼の部最後は「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」。落語に題材を取る気楽な世話物。菊五郎が手慣れた軽妙さで演じる。博打に狂い借金漬けになった親父を救おうと吉原に自ら身を売ろうとする娘、孝行心に感心して親父に金を貸し返済を期限付きでまってやる置屋の女将、集金の金を失くし死のうとしている手代を助けようとせっかく用立てて貰った金を投げつけて去る親父。

悪人は誰もおらず、あれよあれよと話が進み、最後は絵に書いたようなハッピーエンドというのが、お昼の切りには実に良かった。

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