97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「オデッセイ」を観た
日曜午後は「オデッセイ」を観た。3Dは上映時間が合わなかったので2D版で。まあどうしても3Dという場面もなかったような。宇宙船での救出場面程度かな。



冒頭に「The Martian」と出て、一瞬スクリーンを間違えたかと思ったが、これが原題。「オデッセイ」は日本の配給会社が勝手につけた題名なんだ。

火星探索ミッションで事故が起こり、マット・デイモン演じる宇宙飛行士マーク・ワトニーがたった一人で火星に取り残されてしまう。その男が、幾多の困難を乗り越えて火星でサバイバルしてゆくSF。火星表面は大気が希薄で恐ろしく低温であるから、宇宙空間でのサバイバルを描いた「ゼロ・グラビティ」にも似ている。

映画の冒頭、火星での嵐で宇宙船が傾いて倒れそうになり、慌てて脱出するというシークェンスがあるが、火星の大気密度は地球の1%以下で、大きな物を動かすような嵐が本当に吹くのだろうかと疑問が。本物の火星探索機が送ってきた画像でも、空に雲などどこにも映って無かった記憶があるが。

後でIMDbで調べると、原作者も火星の嵐部分は不正確だと認めているとの事。やっぱりねえ。地球の大気というのは、宇宙からも雲が観測できるし、実に濃密だが。

芋を栽培するだけで生き延びられるかにも若干疑問があったし、ケチャップ無しでアメリカ人がポテト食えるのかも実に疑問(笑) しかし一番不思議に思ったのは酸素はどうしているのかということ。火星の大気にはほとんど含まれていないはずだが、二酸化炭素から太陽光発電のエネルギーで分離しているのだろうか。

もっとも、酸素が無くて死んでしまいましたでは映画にならない。主人公の英知や、生き延びるという強い意志によって、次々に困難を克服してゆかなくては。そして実際のところ、全体を通じて、なかなか感動的なサバイバル物語となっている。

衛星画像から火星基地で何らかの活動の痕跡があり、取り残された宇宙飛行士が生きているのではないかと気付いたNASA内でのやり取り。既に地球へ帰還しつつある他のクルーに知らせるべきかどうかの葛藤。船内のクルー達と火星に残されたワトニーとの会話、主人公を救出できる奇策を呈示された時のNASA内部と宇宙船クルーの議論や判断など、脇の役者達もなかなか達者で人間ドラマの部分も感動とともにきちんと成立している。リドリー・スコット監督の熟達の技。

機能ダウンした昔の火星探査機を掘り出して地球との交信に使うというアイデアは、なかなかよかった。地球上に火星基地と同じモジュールがあり、専門家があれこれ試行錯誤して宇宙船に指示を出すというのは「アポロ13」にも描かれたが、実際の宇宙開発をそのままなぞっている。

機体設計製造の責任者である中国系エンジニアは、なんだか大相撲の逸ノ城によく似ている。モンゴル系かな(笑) 中国が救出作戦に協力するという設定は他の映画でもどこかで観た気がするが、随分と好意的に描いており、やはりチャイナ・マネーが制作に入っているからではと思わせるところ。

変わった趣味の船長が、70年代のポップスやディスコ・ナンバーの音源を大量にPCに入れて火星に持ち込んでいた設定で、懐かしの名曲がずっと背景で流れるのも面白い効果を生んでいる。デヴィッド・ボウイの「Starman」は実に印象的。

次々と襲いかかるトラブルをなんとか切り抜け、最後に辿り着いたラストもカタルシスあり成功しているのだが、「地球に戻ってきた」という魂を揺さぶられるような歓喜は、「ゼロ・グラビティ」のほうが印象的だった。まあ火星は遠いから、助かったとはいえ地球への帰還に時間がかかり、ちょっとドラマとして間延びしてしまう(笑)


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コメント
この記事へのコメント
オデッセイはカナダからのフライトで観ましたが「DASH村 火星編」と言われるように手放しで楽しめました。
国内での予告編だとなんかやたらお涙頂戴、スリルとサスペンスに愛だの恋だのって色付けしたそうな雰囲気満載だったのですが、良い意味で裏切られました(笑)。
悪人はどこにも居ない・・ってのが良いですね。
2016/02/25(木) 08:24:59 | URL | taka #xJy3ruYo[ 編集]
ひょっとしてオーロラ帰りのフライトですか? そうそう、悪人が出てこないですよねえ。面白い映画でした。
2016/02/25(木) 14:38:22 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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