97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座八月納涼歌舞伎、第一部を観た。
土曜日は歌舞伎座八月納涼歌舞伎、第一部。前の日からどことなく空模様が怪しかったが、出かける時には土砂降りの雨。タクシーで歌舞伎座まで。

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最初の演目は「嫗山姥(こもちやまんば)」 岩倉大納言兼冬公館の場。元々は近松門左衛門の人形浄瑠璃。

以前は傾城として鳴らしたが、今は零落した荻野屋八重桐を扇雀が。紙衣を着て登場し、出奔した夫と再会して当て付けに廓の話を延々と語る。竹本との掛け合いが見所。語りは妙に分かりやすい気がしたな(笑) しかし、観ていて何となくおかしいなと思ったら前半はまったく大向うの声無し。大雨だったから出足が遅いのか。しかし木戸御免なんだから盛り上げ役をサボっちゃいかんよねえ。

相手役は橋之助だがさしたる出番無し。女形が主役を張るのは珍しいが、最後は夫の霊が宿った女武道として顔に隈取りし、立役級の立廻り。扇雀にはなかなかよく似合っている。古くから残った作品ではあるが、話自体にはさほどのカタルシスを感じないかな。

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ここで30分の幕間。花篭で「ほうおう膳」など。何事かと思うほど喧しい団体客がいた。あんなに煩い団体も珍しい気がする。まあ仲良き事は美しきかなだけれども。

次の演目は、「権三と助十(ごんざとすけじゅう)」。岡本綺堂作の生世話物。権三が獅童、助十を染五郎。初夏の風物詩、井戸を浚う「井戸替え」の最中の江戸長屋が背景。大家と共に権三と助十は図らずも、冤罪事件に巻き込まれた親父を助けようと上方からやってきた息子の力になる事になる。

冒頭のやり取りでは染五郎に台詞があまり入っていない風だったのでちょっと意外。第二部の「弥次喜多」が大忙しだから第一部には力入っていないのか(笑) あるいは単に当日調子が悪かったのかね。

獅童は、口は悪いが腹の中には何も無い、おっちょこちょいの江戸っ子を軽妙に演じている。女房おかん役の七之助との喧嘩の言い立てもお互いのテンポ良く面白い。七之助は花魁役もよいが、世話物の女房も見事に演じている。

彌十郎の大家も手慣れた調子で、話の進行役となる。助十の弟、巳之助も爽やかな好演。真犯人の悪党を演じる亀蔵は、嫌味と凄みがあって見事に成立している。

物語のほうは、「大岡裁き」の伝説を背景に、あれよあれよという間にハッピーエンドの大団円に。軽い演目で深みは無いけれども、気分良く打ち出しとなる。

外に出ると午前中の土砂降りがまるで夢だったかのようなカンカン照り。台風が3つも迷走していると天気がすぐに変わるなあ。蒸し暑いが爽快な気分で歌舞伎座を後にした。



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