97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「分店」に蹴られて「新橋鶴八」本店に
木曜日は、休肝日でまっすぐ帰るつもりだったが、会社を出るとちょっと気が変わった。一杯やって帰るか(笑)

台風が次々に来て悪天候が続いているし、寿司屋に行くのもどうかと思ったのだが、逆にキャンセル続発で閑古鳥だと可哀想だと念のため「新橋鶴八分店」に電話。親方が出て、今週は土曜までずっと予約で満席だという。大常連O氏も断ったくらいだと云うから凄いな。もうすっかり大人気店。大常連O氏は本店に行ってると思いますよとのこと。

しかし「台風ばかりのこんな時期に、予約して寿司屋に来るなんで実に酔狂な客がいるなあ」と云うと、五十嵐親方は「今、こうやって電話してる人がいるじゃないですか」と笑う。まあ、それはそうなんだけどさあ(笑)

仕入れの事を聞いてみると、魚はなんとか揃ったとの事。今週は一杯ですが来週は是非どうぞと言われたが、今週の日曜から大相撲九月場所が始まるから、夜は早く帰宅して録画チェックするのが日課だしなあ。ということで曖昧な返事を(笑)

「分店」に蹴られてそのまま帰るかとも思ったが、やはり一度寿司屋に電話してしまうと止まらないもので、今度は「新橋鶴八」本店に電話。石丸親方が出て、申し訳なさそうに「7時までなら大丈夫なんですが」というので、「いやいや、それで大丈夫」と速攻で入店。

カウンタには先客はまだ二組。7時から満席になるのだとか。繁盛ですな。大常連O氏からも予約の電話があったが店が立て込んでるので断ったとか。あらま気の毒に本日は流浪の民だ(笑) こっちはカラオケに誘われなくて助かったと云うと、「新橋鶴八最後の弟子」君が、「Oさんは、一緒にカラオケに行って楽しかったと何度も店で言ってましたよ。よほど楽しかったんですよ」と云う。なんだか誘いを断るのが悪いような気分に(笑)「まあ、それにしても、あんなに家に帰りたくない人も珍しいですねえ」と石丸親方。まあ、人生色々ですが(笑)

分店は今週土曜まで満席だと言ってたよと伝えると、「そうですか」と石丸親方は破顔一笑して実に嬉しそうだ。親方は親も同然なんだなあ。

お通しは塩蒸しアワビの周りの部分切り落とし。ちゃんとアワビの味がするから得した気分。冷酒を貰って。市場では魚が少ないと仲卸は大変だったそうだが、種札はきっちり揃っている。 まずヒラメをつまみで。

豊洲市場移転延期の影響を尋ねると、11月築地移転の週は休もうと思っていたが、この分では休めないかなあと石丸親方。ただ現在の築地に一部残る仲卸用のビルも完成しており、そこで仕入れても商売はできるのではとの事であったが。

塩蒸し、アジ、ハマグリとつまみで。どれもいつもと同じ新橋鶴八の味。

他の客に名物の鉄火巻を作成していたのだが、マグロが山盛り。よくあれで巻けるよなあといつも感心する。石丸親方によると酢飯が少ないからだと。そして、神保町では赤身とトロで作成していたのだが、中トロも入れてマグロ全部を味わえるようにしたのが「新橋鶴八」独自の工夫なんだとか。

ウニやマグロは買って来て出すだけで寿司屋の仕事手間は何もかかっていない。だからなるべく原価に近い値段で量もドーンと出す。でも、仕事した種からはちゃんと利益を頂きますよと、「神保町鶴八」諸岡親方譲りの鶴八哲学を久しぶりに聞いて実に懐かしい気分。

そして、その仕事した〆た物や煮物なども、「新橋鶴八」では実は大きな利益は乗せていない。「一回300円の利を取るよりも100円ずつ3回で300円の利益を上げるのだ」というのも神保町諸岡大親方の教えであり、この店に来ると本当にその哲学が今でも生きている事が得心できるのだった。だから真摯で真っ当なこの店が好きになる。

お茶に切り替えて、握りは2貫ずつ。まず中トロ。コハダは他の客が頼んだ時には「新子もありますが」と聞いていたが、私には大きいのを。そうだ、ネットリと〆るこの店の仕事には、やはり肉厚のコハダでなくては。アナゴも何時ものトロトロ具合。炙るのは、香ばしさを出すのが目的ではなく煮上がりの状態近くに戻すためなので、煮汁を塗りながらごく軽く火を通すのだとか。長年来ているが煮汁を塗っているのは気がつかなかった。何でも常に発見あり。

ハマグリ出汁のお汁が出て、最後はカンピョウ巻で〆。何時もと同じ店で、何時もと同じものが何時もと同じように燻し銀のように旨いこの幸せ。7時5分前にお勘定を頼み、支払済ませて「ありがとうございました」の元気よい声を聞いて店を出ると、ちょうど数名のお客さんが店前に到着した所だった。酒も飲んでつまみも握りも食べて1時間弱の滞在。早く帰宅できて実に良い。


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