97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「エクス・マキナ」をDVDで。
以前、週刊誌の映画評で見て気になっていたブルーレイがAmazonから届いたので早速観賞。



「エクス・マキナ」

しかしパッケージをよく見るとヒスパニック版。あれ? 再度Amazonで調べると、DVDも同梱された日本版は11月18日の発売なのだそうで、間違えて発注したのか。しかしこのブルーレイはリージョンフリーで日本語字幕も選択でき、鑑賞には何も不都合無し。そもそも映画の日本公開が遅れた為に並行輸入されたもののようだ。

検索エンジンのトップ企業であるブルーブック社で働く若きプログラマ、ケイレブ・スミスは社内公募に当選し、巨万の富を得た天才にして会社の創業者であるネイサンのコロラド山中にある隠された豪邸に招かれる。そこで彼を待っていたのは、ネイサンが開発中の女性型アンドロイド「エヴァ」であり、ケイレブはエヴァに対して対面での「チューリング・テスト」を実験として行ってくれという奇妙な申し出を受ける。

チューリング・テストとは、その対象が人間と区別がつかないAI(人工知能)と呼べるかどうかを確認するテスト。ガラス越しに美しいアンドロイドと対話するうちに、ケイレブは次第にこのアンドロイドに惹かれてゆく。

登場人物は実に少なく、物語は、AI(人工知能)との奇妙な交流が、テンションに満ちた密室の心理劇として描かれ、サスペンスにあふれたSFスリラーとして展開してゆく。そして最後に訪れる、息を呑むどんでん返しと破局。随所に散りばめられたAIと人間の自意識を巡る衒学的なやり取りも印象的だし、CGを使ったアンドロイドの描写も実によく出来ている。アカデミー視覚効果賞は伊達ではない。

ケイレブ役の俳優はいかにもオタク風。これが、特に後半の展開に至って大変効果的なキャスティング。闇を感じさせる天才、不可解な登場人物であるネイサンの人物造形も印象的。独特のアクがある中南米系の顔立ちに見覚えがあると思ったら、ドライヴ の、スタンダード役だったのであった。あの映画も実によかったなあ。DVDは手元にあるのでまた見直さないと。
(過去ログの感想はこちらに。)

題名は、ギリシャ語由来のラテン語成句「デウス・エクス・マキナ」から来ている。ギリシャ悲劇に登場する、「機械仕掛けで登場する神」、"god from the machine"の意。「デウス」が除かれているから「From the machine」となるが、成句を知っていると、機械仕掛けの、神でも人間でもない存在として描かれるAI(人工知能)が暗示的に思い起こされる実に印象的な題名。

次第に深まってゆく物語のテンション。テストの対象は一体どちらか。AIと対峙する自分は果たして人間なのかという、フィリップ・K・ディックを思い起こさせる疑念。地球上のあらゆる情報を収集する神の如き検索エンジンとAI(人工知能)との関係。小品ではあるが、実に印象的な作品として成立している。


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コメント
この記事へのコメント
Turing Test
おお!
アラン・チューリングのイミテーション・ゲームですね!
それだけでも「エクス・マキナ」を観てみたくなりました。
2016/11/02(水) 07:37:47 | URL | lunarmagic #EBUSheBA[ 編集]
Lunarmagic様

なかなか面白い映画でした。機会ありましたら是非どうぞ。
2016/11/02(水) 09:32:24 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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