97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座で、「十二月大歌舞伎」第三部を観た。
土曜日の夜は、歌舞伎座で「十二月大歌舞伎」第三部。玉三郎が若手を率いる舞踊中心の演目。

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しかし、昼に映画「この世界の片隅に」を観て、夜は歌舞伎座第三部というのは、何処がと言われても困るが、微妙に気分の切り替えが必要な気がするものだなあ。

最初の演目は「二人椀久(ににんわんきゅう)」。以前、歌舞伎座、玉三郎ー海老蔵で観た。

豪商椀屋久兵衛が傾城松山に入れ揚げた為、家督を取り上げられて座敷牢に幽閉されて狂死したというのは大阪で有名な実話であったらしいが、その久兵衛が牢から逃れでたのかあるいは全ては夢幻の中なのか、一夜だけ松山と再会して踊るという幻想的な舞踊劇。

定刻となり柝が入ってから、幕が開くまでやや時間あり。何かトラブルあったかな(笑)

踊るのは玉三郎と勘九郎。遊興に身を持ち崩した若旦那というのは、海老蔵には合うが、勘九郎には合わない気もするけれど、これは台詞も無い舞踊であるからして、勘九郎はカッチリと真面目に勤めてきちんと成立している。

玉三郎は主舞台セリの出から暗い舞台での幻想的な舞踊、スッポンからの引っ込みまで、実に妖艶でコケティッシュでもある傾城を演じて印象的。しかしまあ、正月に豆まきだと金銀を撒いたというほどの散財できる財産を持ちたいもんですな。座敷牢に幽閉は嫌だけど(笑)

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ここで35分の幕間。最近は襲名の舞台が続き「襲名御膳」ということになっていたので、「ほうおう膳」は久しぶりな気がする。夜の7時過ぎ、後の演目は舞踊の1時間だけであるから、寝る心配も無く日本酒も飲んでいい気分。

切りの演目は、「京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ)」。道行より鐘入りまで。

玉三郎が、勘九郎、七之助、梅枝、児太郎と4人の花形を白拍子として従え、自分は主役として、格の違う所を見せ美味しい所だけ全てさらって行く豪華絢爛かつ賑やかに行う宝塚レビューのような舞踊劇。総勢五人の「京鹿子娘道成寺」は興行初だとか。

最初の道行き、七之助が花道から出る時に「成駒屋ァ~!」と云う大向うが複数聞こえた気がしたんだけど、あれは空耳かな。それとも何か意味があってそう掛けてるんだろうか。時折、素人の私でも、アレ?屋号が違うんじゃないかと思う時があるけれども、あれも私の空耳か、あるいは何か訳があって今スポットライトが当たっている人以外に掛けたりする事があるんだろうか。大向うも奥が深いですな。何言ってるか元々分からない「鶏爺さん」はご愛嬌だけれども(笑)

勘九郎の女形は、意外にと言っては失礼だが美しく、一瞬アレ誰だっけと思うほどキチンと成立している。まあ親父も女形をやったし、母方の祖父先代芝翫は女形だったからなあ。

引き抜きであっと云う間に変わる壮麗な衣装。清純な娘ぶりから恋を知った妖艶さ、そして鐘を見つめる狂気を演じ分ける舞踊もそれぞれに面白い。七之助が花道で紅を拭った懐紙を客席にポイと投げたり、所化坊主達が手ぬぐいを客席に撒いたり、昔の小屋の人気興行を思わせる賑やかな趣向も面白い。元々があれこれ趣向があり、五人も白拍子がいると実に賑やかであっという間に大詰め。鐘に絡みつくような蛇身を模した5人の見得も、玉三郎を最上段に見事に決まった。

本筋には関係無いんだけど、恋焦がれた僧安珍が隠れた鐘を蛇に化し焼き尽くして殺した清姫を巡る道成寺物語は有名。歌舞伎の演目でも幾つものバリエーションを観たがそれぞれに面白い。しかし清純な清姫を狂わせた安珍は、若く美形で相当な破戒のエロ坊主だったんでしょうなあ、と余計な感慨が(笑)

打出しは8時45分頃。考えてみれば玉三郎の舞踊劇2本で幕間を除く実質上演時間は1時間40分。昼に観た映画「この世界の片隅に」が2時間6分だから、それよりもずっと短い時間で歌舞伎座の第三部が成立して、幕間で食堂も営業して、一等席が1万5千円。なかなか効率のよい営業なのでは。まあ二部制の興行は時として長過ぎる時があるけれども。


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