97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、「猿若祭二月大歌舞伎」夜の部
土曜日の午後は、歌舞伎座、「猿若祭二月大歌舞伎」夜の部を見物。

201702050740427aa.jpg

中村屋御曹司の初舞台とあって早い時期から夜の部は土日完売。平日も一階席は空き無しという販売状況が続いていたが、1週間ほど前にポロっと数席出た戻りを拾ったもの。しかしTVで報道されたからか、今では平日も夜の部は全席完売。席が拾えたのはラッキーだった。

前日に、録画していた「中村屋ファミリー5歳と3歳、兄弟初舞台SP」を観て予習済み。しかし、歌舞伎俳優の家に生まれるというのは大変な事ですな。

20170205074110305.jpg 20170205074127a15.jpg

祝い幕はゴシック調のフォント。普通はゲージツ系で有名な書家が書いたりするものと思って居たが、なんだかパワポのプレゼンのようで逆に新しい感じがする。初舞台を寿ぐ企画が劇場のあちこちに。

20170205074153add.jpg
2017020507421168d.jpg
20170205074229437.jpg
20170205074242b2a.jpg

最初の演目が、「門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)」

御曹司達の親父である勘九郎もその弟の七之助も30年前にこの演目で初舞台。そしてその父である十八世勘三郎も、昭和34年に「桃太郎」で初舞台であったらしいから中村屋代々のお披露目演目。

勘九郎の長男と次男が、三代目中村勘太郎 二代目中村長三郎を名乗って兄弟桃太郎を演じる。幹部俳優から若手花形まで総出で舞台に出て、御曹司の門出を祝福する。3歳と5歳でこの大舞台を踏むというのは、まさに銀の匙をくわえて生まれて来た特別待遇だが、本当に役者の道を選ぶのかどうかについてはこれから思春期を経由して、様々な葛藤が生じてくるだろう。簡単な決断ではないが、折角生まれついて宝船に乗っているのであるから、盛大な航海の無事を祈りたい。

幼い兄弟が登場すると観客は万雷の拍手。幹部俳優が列座した口上も心温まるもの。この日は特に大きなトチリは無かった模様。梅玉は相変わらず面白い。初お目見得や初舞台、襲名披露というのは、何時観ても予定調和の目出度さが実に良い。

犬彦、猿彦、雉彦も軽妙に祝祭を盛り上げる。花道近くの席だったので桃太郎兄弟を間近で観れてなかなか面白かった。演目のせいなのか、1階席前方には子供連れの客が多し。これはこれで珍しいが、中村屋御曹司の同級生とかなのか。

25分の幕間の後、「絵本太功記(えほんたいこうき) 尼ヶ崎閑居の場」。いわゆる「太十」。

武智光秀を芝翫が。以前、吉右衛門で観た時は、登場の時の異形の迫力が素晴らしかったが、芝翫にはイマイチ迫力が無い気が。顔は大きいのだがなあ。

デップリ太ったガンジロはんが武智光秀の息子、悲劇の若武者という設定もちょっと。肉体ではなく芸を見るんだと言われればその通りではあるのだが、それにしてもねえ。

魁春、錦之助、孝太郎、鴈治郎、秀太郎と堅実かつ錚々たるメンツが揃っているのだが、観てさほどのカタルシスを感じないのは演目としてのストーリーがイマイチなのだろうか。時代物狂言として淘汰され、この段だけが生き残っているのだが。橋之助は最後にちょっと出るだけだが、声も朗々としてなかなか良かった。ガンジロはんの役やらせればよかったのに(笑)

20170205074258bb2.jpg

ここで30分の幕間。三階の花篭で「猿若祭御膳」。きび団子付き。しかし、6時40分から食事というのは若干遅い気がする。席に戻ると、空いている席も散見される。まあ最初の演目だけみて、遅くなるから帰る人もいるのか。子供連れは最後まで居れないか。

最後の演目は、「梅ごよみ(うめごよみ)」。向島三囲堤上の場より深川仲町裏河岸の場まで。最初の幕では花道にも水面を描いた敷物が引かれているが、船が花道を去って行くしかけ。江戸深川の情緒溢れる場面。

気楽な世話物だが、許嫁がいるにも関わらず芸者にも惚れられて、あっちにフラフラ、こっちにフラフラとモテモテの優男丹次郎を染五郎が演じる。全ての揉め事はこの人のフラフラが原因なのだが、染五郎はこんな役も上手くなかなか印象的に成立。丹次郎を挟んでいがみ合う恋敵の深川芸者、仇吉、米八を菊之助、勘九郎が。

菊之助花道の出は実に妖艶で美しい。諸事情あろうが、ずっと女形で行けばよいのになあと思わせる。勘九郎は先月も女形だったが、男勝りの辰巳芸者としてはきちんと成立。児太郎は素人の町娘がよく似合っている。

羽織を着て男名前、男勝りの気風が売り物であった辰巳芸者同士の鉄火なやり取りが実に小気味よく、最後は茶入れも戻って大団円。気分よく打出し。予定よりもだいぶ早めであった。

関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック