97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新橋鶴八」の江戸前仕事
アカウントは作ってないので、普段インスタグラムにはアクセスしないのだが、そういえば「新橋鶴八分店」はアカウント持って写真アップしていたなと店名で検索してみると、店よりもむしろ訪問客の方が、山盛りのウニ軍艦と鉄火巻の写真ばかり、やたらにアップしているのに驚く。皆、そんなにウニと鉄火が好きなのかねえ(笑)

私自身は、「新橋鶴八」本店で、鉄火巻は一度だけ試しに食した事があるかな。「半分にしますか?」と石丸親方が尋ねるので、普通の1/2量にしてもらった。てんこ盛りのウニは多分「新橋鶴八」では今まで一度も頼んだ事がない。

「分店」ではどうかというと、自分からは頼んでないはず。ひょっとして勝手に出て来た事があるかなあ。いや、多分鉄火巻もウニも出て来た事は無いように思うけれども。どちらも食べづらい気がするし(笑)

そういえば、昔読んだ「鮨を極める (The New Fifties)」で、ウニやマグロについて「新橋鶴八」の石丸親方が語っていたなと本棚から引っ張り出してきた。

過去日記に書いたが、「新橋鶴八」で購入して石丸親方にサインしてもらった貴重本(笑)著者の早瀬圭一氏は、店でもお見かけした事があるが、年季の入った寿司食いで、神保町の「鶴八」先代、師岡親方の頃から「鶴八」に通っており、「新橋鶴八30周年パーティー」でも主賓挨拶に立っていた。

そして、この本にある石丸親方の話はこうだ。
ウニなんか箱ごと買って来て、軍艦巻きにしたご飯の上に乗っけるだけです。ですから出来るだけ沢山、山盛りに乗せます。鮨屋の手間は何もかかっていません。だからウニで儲けるなんて出来ません。

鮪もそうです。鮪を自慢する鮨屋になりたくありません。いい鮪を自分の懐具合を考えて選ぶのは当たり前です。そのかわり、穴子、小肌、蛤など手を加えたものからはちゃんと利益を頂きます。


「新ばし しみづ」は、マグロの質については若干方向転換しているようだし、太巻きの鉄火も、おそらくもう殆ど出していないはず。ウニの軍艦もごく普通の量。しかし、「分店」は、本店の基本をまだ忠実に守っていると思う。それとも、最近は大分乖離が出て来たかな。

「新橋鶴八」は、毎日築地に通って魚を仕入れ、毎日その都度仕込む。仕事を施した物だけが江戸前の真髄だという矜持が現れている親方のコメント。これを読むと、あんまりウニや鉄火巻を珍重する気にならない。「新橋鶴八」で食するべきは、サバ、コハダ、ハマグリ、アワビ塩蒸し、タコ、アナゴ、カンピョウ巻などの締めたり煮焚きした種だ。ウニや鮪を誉められても石丸親方はあんまり喜ばないはず。

それでは、仕事をした小肌や穴子が高いかというと、そんなことは無い。トロやウニなど、仕入原価が高い種よりも、むしろ仕事した種のほうがリーズナブルに食せるということが、ある意味凄い鮨屋である。「分店」も、名前を貰っているからには、全て本店譲りの仕事でやっていると思うのだが。



関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック