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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座で、「吉例顔見世大歌舞伎」、昼の部を観た
先週金曜の祝日に、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部。昔は11月に次の年の役者との契約を行い、こんな出演者で1年間興行をやりますよと宣伝したものらしい。そうか、もう11月なんだ。

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昼の部は、高麗屋若旦那、吉右衛門と播磨屋軍団、菊五郎劇団と豪華な布陣。夜は夜で仁左衛門、藤十郎、幸四郎と大看板が勢揃い。しかしどの日も一等席はまだ空きがあり。通は3階席で観るからかな。

昼の部最初は「湧昇水鯉滝 鯉つかみ(こいつかみ)」

染五郎は、襲名の前最後の歌舞伎座登場。宙乗りもあって最後は本水。鯉の精は影が障子にプロジェクションされる。立廻り中の早変わりも随所にあって、染五郎は大奮闘。「かぶく」大スペクタクル。ラスベガスでも公演したニュースを観たが、歌舞伎のケレンに満ちて、外国人にも受け入れやすい演目。昔の芝居小屋では本水を使った演出は夏の涼を取るために良い趣向だったのだろうが、11月に本水はちょっと寒々しいね。お湯を使う訳にも行かないだろうから、染五郎も風邪を引かないとよいが。

随分疲れると思うが染五郎は夜の部にも出演が入っている。役者というのは大変ですな。

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幕間は35分。本水の片付けがちょっとかかるのだろうか。顔見世芝居御膳なるもので一杯。なかなか豪華なり。

次の演目は、人形浄瑠璃から移された丸本物。「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」。いわゆる「袖萩祭文」。

「奥州安達原」は前半、袖萩の悲惨と悲しみに心打たれる。子役も好演。黒子は白衣装で出るのだが、ゴザを持ってきてもらって子役が思わず「ありがとうございます」とばかり小さくお辞儀。本来は黒子は舞台には存在しないお約束。ある意味トチリだが、ちゃんと躾けられた良い子なんだなと微笑ましかった。

吉右衛門が上使の桂中納言、実は安倍貞任。花道で、台詞の途中で思わず武士の台詞になり、また公家に戻るのは初代吉右衛門の工夫だという。

播磨屋では「双つ玉(ふたつだま)」といって袖萩と貞任を二役でやる場合も多かったというが、前半のしどころは殆ど袖萩だから、元気者が貞任だけでは力が余ったのでしょうな。

今回は吉右衛門は貞任だけ。袖萩は雀右衛門が演じて別れの場面もあり。時代物らしく、最後は戦場での再会を約して別れるお約束。筋書きを読んだ時は、登場人物の関係が複雑で、あまり面白くない演目かと思ったが、死を賜った父親の最期に一目だけでも会おうとやってくる娘。勘当され落ちぶれ果てて盲目の瞽女になった娘が雪の中で奏でる祭文の哀れ、そして自害する決意が実によく描かれてカタルシスあり。興味深く見物した。

そうして吉右衛門の登場。旗を大きく客席に振るケレン、衣装がぶっかえりになり大きく見得を切る吉右衛門は、さすがに当たり役、時代物の風格あり。

最後は、「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」。いわゆる「直侍」。以前染五郎で観たことがあるが、雪がしんしんと降り積もる江戸入谷の風情が良い。蕎麦屋夫婦も按摩も、雪の中を行き交う暗闇の丑松も、三千歳の情愛も、そして主役の直次郎も、江戸世話物の情緒にあふれている。

菊五郎が、片岡直次郎を熟練の芸で演じる。細かい型や段取りを感じさせずに、まさに目の前に粋な江戸の男が現れるというのが、やはり伝承された家の芸というものなんだなあ。追っ手を交わして一人落ち延びて行く。また会えるやら会えぬやら。世話物によくある切りだが、これまた冬の夜に、世の無常を感じるラスト。。

打出しで外へ出るとまだ明るく、勿論雪は降っていないが冬の寒さ。「直侍」観ると、やはり帰りは蕎麦屋だ。松屋のレストラン街、蕎麦屋に入り、熱燗で「天」。普段はかけ蕎麦は食さないが、牡蠣南蛮蕎麦など。しかし歌舞伎座帰りらしい客はあまり居なかったような。落ち延びる必要はないのでのんびりとw

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