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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ブレードランナー2049」と、それにまつわる妄想的感想。
先月28日の土曜日に「ブレードランナー2049」を2Dで観た。前作も大ファンである。



「2049」前日の夜には、「ブレードランナー・アルティメット・エディション」DVDを引っ張り出して予習。(そう、そんな物も持ってるのでした(笑):このDVDの感想はこちらの過去ログに)

前作「ブレードランナー」は、酸性雨が降る未来社会、しかし古いアメリカのハードボイルド、あるいはフィルム・ノワール的な背景描写。私とは誰か、そして何処へ行くのかという形而上学的な問い。デッカードと人造人間であるレイチェルの恋。冒頭のLAのシーンから、映像はとても美しくも衝撃的で、しかし物語は叙情的だ。

先週も時間の空いた時に「2049」二度目を見に劇場まで。あと一回くらい見ても楽しめるが、後はメイキングなど入ったDVDボックス発売を待つか。

長尺だが全く飽きない。前作へのオマージュに満ちたスタイリッシュな映像と音楽。自我と記憶と魂、そして生命の再生を巡る旅。力強く、懐かしく、詩情に溢れ、哀しい。こんな続編がよく作れたと感嘆。

ライアン・ゴスリングは「ドライヴ」にもあったあの哀しい瞳が印象的。ドゥニ・ビルヌーブ監督は、「メッセージ」の叙情に溢れた映像に感心したが、本作でもその映像美は実に良い。

前作の「ディレクターズ・カット」でリドリー・スコット監督が描こうとした「デッカードとは何者か」という伏線も(私の考えるに)見事に回収されている。原作、P・K・ディックの小説に流れるトーンにより近い思索的な仕上がり。前作の大ファンならきっと気に入るのでは。

ただ、前作を見ずして、初めて本作だけ見る若者には、何のこっちゃ分からんかもしれないという危惧も(笑) 前作をチェックしてから観るなら、私の個人的好みでは「劇場公開版」。ハリソン・フォードのヴォイス・オーバー(モノローグ)が入り、レイチェルとデッカードを乗せたスピナーが壮大な大自然の景色の中を飛んでゆくラスト。「レイチェルには4年の寿命は設定されていなかった」とハッピーエンドを語るデッカード。この空中撮影はスタンリー・キューブリックの「シャイニング」、オーバールック・ホテルへと向かう冒頭部分で使わなかった余りのフィルムの再利用だったとか。

さて、ここから先はネタバレを含む感想。予備知識無しに観たい人は、スキップしたほうがよいかもしれないのでご注意を。

世界大戦や気候変動を経た未来社会、カオスと化したLAのダウンタウン。しかし古いアメリカのハードボイルド物のようなインテリアや内装という映像のトーンは前作を踏襲。

前作のメイキングDVD「デンジャラス・デイズ」を見ると、冒頭シーン、鍋でなにやら煮込んでいる農家にレプリカントが帰ってきて、ブレードランナーに撃たれるというのは、前作で絵コンテも書かれたが撮影されなかった初期のアイデア。

ブレードランナーであるゴスリングは「Skin Job(人間もどき)」と侮蔑され差別を受けるレプリカント捜査官。AIが操作するプロジェクションされた3次元ホログラムの恋人だけが話し相手というところが切なくも哀しい。この辺りは前作に出てきた、早老病で地球外に移住できなかったセバスチャンが投影されている。

LAに降る雪も「ブレラン」前作へのオマージュでは。「リドリーが『雪がほしいな』というと、雪はすぐに降るのさ」とプロデューサーが「デンジャラス・デイズ」で語っていたものなあ(笑)

「強力わかもと」が出なかったのはちょっと不満(笑)ショーン・ヤングのシーンは、前作の映像に沿ってCGで復元していると思うが、実に美しい。「ブレラン」1本でスターになったが、ちょっとおかしくなって映画界を去ったと聞いたけれども、本作のクレジットにも登場している。

前作と同じ俳優で、元デッカードの同僚「ガフ」が出ていたのは二度目の鑑賞で気づいた。折り紙やら「シティ・スピーク」やらヒントがあったのに見逃していたな。

ここから先は私の勝手な妄想なので、観た人もあまり気にしないようにお願いしたいが、「デッカードがレプリカントか」という疑問については、一部あいまいにボカされているが、既に答えは出ている。レプリカントでなければ、レイチェルとの子供がレプリカント同士から生まれた「奇跡」である事にならない。そして、レプリカント同士を恋に陥らせ子供を作る計画は、おそらくタイレルによって計画されていた。

そして、なぜウォレス社の最新鋭レプリカントである「Luv」はデッカード本人をオフ・ワールド・コロニーに連れ去ろうとするのか。ウォレス博士は付いて来ていない。結局撮影されなかった前作「ブレラン」の絵コンテでは、タイレル博士自身は既に亡くなっており、ロイ・バティに殺されたタイレルはレプリカントだったというもうひとつの結末が準備されていた。

これを踏まえるなら、本物のウォレス博士はオフ・ワールドに移住しており、地球に残ったウォレスは、あの特有の目の光り方で分かるように記憶を移植されたレプリカント。そして、レプリカント同士の結婚で再生の奇跡が生まれたからこそ、デッカードを標本として、本物のウォレス博士のところに連れて行こうとしているのではないかと思うのだが。

まあ、この辺りは伏線を見落としているかもしれないし、ご自分でご覧になった皆さんが妄想をご自由にどうぞ(笑) あとはDVDのメイキングでも待ちましょう(笑)

まあ、しかし実に面白い映画体験であった。



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