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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、「三月大歌舞伎」夜の部を。
先々週の日曜は、歌舞伎座百三十年「三月大歌舞伎」夜の部。温かい日だったが前日のゴルフ疲れがあり、花粉症が出て薬を飲むも鼻水は出るし眼はかゆいし、頭はボーッとして体調は最悪。

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歌舞伎座横までタクシーで。襲名披露の1月2月ほどには入場の混雑無し。

最初の演目は、四世鶴屋南北の作、「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」

いわゆる「お染久松」物。通しの上演では女形が七役を演じる趣向らしいが、今回初見。この上演では、「小梅莨屋の場」、「瓦町油屋の場」のみを、お六を玉三郎、その連れ合いの悪役、鬼門の喜兵衛を仁左衛門が演じる。

土手のお六は「悪婆」と呼ばれる鉄火で伝法な女の悪役。仁左衛門の悪役は凄みと色気があるが、軽妙さも兼ね備える。あちこちで笑いを誘う、軽いくすぐりあり。カーリングの「そだねー」も登場(笑)

策略を凝らして大店を強請ろうとするのだが、歌舞伎では大体、ゆすりたかりは上手く行かない事になっている。最初のうちは勇ましいが、形勢が段々と悪くなって口数が少なくなるお六がコミカルで面白い。鬼門の喜兵衛もやり込められて負け惜しみ。最後は軽妙な掛け合いで両者が駕籠をアラヨっと担いで花道を去る。

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30分の幕間は花篭で芝居弁当。

次の演目は「神田祭(かんだまつり)」

仁左衛門と玉三郎の舞踊。粋な鳶の頭と恋仲の芸者が、江戸情緒あふれる目出度い祭りを背景に連れ舞いを見せる。もともと初演時に二人用に振りがつけられたというが、まるで本当にキスするんじゃないかというほどデレデレいちゃいちゃの仲の良さを粋な舞踊で表現。本当に恋人同士に見えるのはやはり芸の力。玉三郎は長身だが仁左衛門と並ぶ場面では膝を深く折って背丈が小さく見えるようにしている。女形の芸というのも大変でござる。

最後は幕間2回挟む長い演目、
「滝の白糸(たきのしらいと)」

泉鏡花の原作を新派が舞台にし、それがまた歌舞伎化されたもの。玉三郎の演出。「新派」というのはウィキによると歌舞伎劇を「旧派」として対比した現代演劇運動なので、新派の劇がまた歌舞伎に戻るというのも妙なもの。何でも飲み込む歌舞伎の懐の深さを感じさせる。

第一幕は20分と短いのだが、ここで花粉症の薬を飲んでいる上にお酒が入ったからか強烈な眠気が襲ってきた。外が暖かいからか鼻の調子も更に悪化。そして最初の第一幕が、主人公の滝の白糸がずっと端にいるばかりで際立たず、派手さがない。体調いよいよ悪化し、これは多分最後まで見ていられないと次の幕間で退場して帰宅。なんだかもったいなかった。

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しかしせっかく上演されているのに見ないままというのも俳優陣にも失礼な話。次週、戻りの席が出ていたので、会社を早めに出て、三越地下で弁当を買い、5時頃に歌舞伎座到着。混まないうちに二階のソファーで弁当食べて、次の「神田祭」から見物する計画。

舞台では「於染久松色読販」がまだ上演中。上演時間中の歌舞伎座に正面から入るのは初めてだが、入り口を入ると係員が早速近づいてきて「席までご案内しましょうか?」「イヤホンガイドがご入用でしたらあちらです」と実にサービスが良いね。

亀戸升本の弁当は江戸前の甘辛の濃い味。二階のソファーは誰も居ないかと思ったら3人ほど座って居るのであった。舞台の上演時間中はドリンクコーナーが閉まっているのではと思ってコンビニで缶チューハイ買って行ったが、やはり閉まっていたのであった。

「神田祭」は、二度目だが、賑やかにもいちゃつきぶりが実に微笑ましい。「滝の白糸(たきのしらいと)」。壱太郎が演じる滝の白糸の声は、最初の一声からなんとなく玉三郎を思わせる。昼の部の「男女道成寺」では、その他大勢、若手出演の所化坊主の一員が、夜の部の半分以上を費やす大作の主役。勿論、大名題の御曹司ではあるのだが、やはりこれは玉三郎が肩入れした抜擢というか。

水芸で旅芸人一座の看板を張る鉄火な美人芸人の強さと、しかし一目惚れした恋に生きる女としての弱さのコントラストが強く出れば出るほど印象的な劇だと思うが、壱太郎と松也は健闘しているものの、やはり初役でもあり、歌舞伎座の大きな舞台はちょっと持ちきれない部分を感じた。

水芸の舞台は派手で見所あり。最後の幕、法廷の舞台、自らの殺人を否認するために、金は取られていないとガンとして否認する滝の白糸の、すっくと伸びた強い背中が、判事代理として帰郷した、恋する村越欣弥の問い詰めを受け、とたんに弱々しい女の背中になるところなどは、玉三郎の演出の冴え。歌六は劇の進行役として、しっかり脇を固めて舞台に程よい重みを与えている。しかしラストの悲惨さは、夜の部の打ち出しとしてはちょっと気の滅入るもの。印象的ではあるけれども。

この日、前の席にはやたら座高の高い、しかも頭の大きい爺さんが座って大分往生した。劇場の席ばかりは運である。

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