97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
運命の輪は巡る。神保町「鶴八」訪問。
火曜日は神保町の「鶴八」に。「新橋鶴八」石丸親方が自分の店を閉め、寿司屋人生の集大成として、自分を寿司職人として鍛え上げてくれた師匠である師岡師匠の築いた店の暖簾を、最後に引き継ぐ事となったのだ。

この承継の話を聞いたのは年明けに「新橋鶴八」を訪問した時。その前から、田島という人が後を継いだ「鶴八」が12月で閉店するとネットで見て、石丸親方に神保町の「鶴八」も閉店らしいねと聞くと「いや、多分来年もやってますよ。また行ってみてくださいよ」と妙な事を言うのであった(笑)後で「しみづ」に聞いた話では、12月頃になって急に本人が継ぐと言い出して、弟子もビックリしたとの事であったが。

新年になって訪問した時に、「もうご存知でしょうが」と貰ったのがこの案内状。

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それから何度かニュー新橋ビルを訪問したが、3月に神保町「鶴八」の訪問予約を入れておいたのだった。この火曜日が開店2日目。

「新橋鶴八開店30周年の夜」でも書いたが、私が寿司屋巡りをしたいなと思った原点とも言うべき本が「神田鶴八鮨ばなし」。しかし実際に懐に余裕が出来て寿司屋巡りをするようになった時には師岡親方は既に引退。、「しみづ」、「新橋鶴八」と、弟子筋をさかのぼるような形で「鶴八」系の店に行くようになったが、不思議と代替わりした「鶴八」には行こうと思わなかった。

当日は、「P.M.9」に寄って軽く一杯やり、用意して貰った店へのお祝いを引き取って内幸町の駅に。都営三田線の神保町駅から2ブロックほど。こんな所に店があるのかと思うビルの間の細い道を曲がると「鶴八」と小さな看板が光っている。

狭い間口の引き戸を開けると、カウンタには先客一組。石丸親方が笑顔で「いらっしゃい。どうぞ、私の眼の前に」と奥から三席目を指さす。尊敬する親方にそう大歓待されると、なんだか感激かつ恐縮する。

開店お祝いに「P.M.9」で手配したスコッチの「ウスケバ」を持参した事を告げると「ああ、三好君が選んでくれたんですか」と石丸親方が相好を崩す。スッキリした味わいのブレンデッド・ウィスキーで、いつも石丸親方が飲んでいるのだそうである。

まず菊正の冷酒を所望。お通しはホタルイカ。やはりこの店に入るのは初めてなので、あちこち物珍しく見まわしてしまう(笑)店は間口は狭いが縦に長い長方形かと思っていたら、割と矩形で、石丸親方によるとひし形なのだとか。つけ台は新調したのですかと訊くと、前の物がボロボロになっていたので削ったのだと。素材がヒノキだからまた白木の目地がきちんと出るようだ。

すぐ後から、カウンタ奥の席に女性連れで入って来たのは、「鮨に生きる男たち」や、「鮨12ヶ月」の著作もある、鶴八系の古い常連、作家の早瀬圭一氏であった。「新橋鶴八」でも、「鶴八30周年パーティー」でもお目にかかった事がある。

他にもお客さんが次々と。カウンタは7席。前の店を知る人は、中が明るくなったと。客席側は壁も明るい色に変えて、電球はLEDにしたせいもあるのだろう。ただつけ場は、穴子を煮る引き笊や酢飯を切る飯台が壁に掛かっており、古くなったステンレスの洗い場と蛍光灯とちょっとレトロな昭和の感じが残る。

元々は小上がりだったという部分も小さな椅子席に。石丸親方は、昔の修業時代、兄弟子とこの小上がりでずっと寝泊りしていたんですよと懐かしそうに語る。

「新橋鶴八最後の弟子」君もちゃんと居てワサビをつけてくれたので「連れてきて貰って良かったな」と冗談を言うと「お暇を出されずにすみました」と(笑)

女将さんとバイトの女性が3名位か。小さな店だが結構人手多し。二階の部屋も椅子席で8名入るとの事なので、まあ人は必要だよね。

種札は前の店の物も正面にあるが、親方によると「これは偽物」という事で、カウンタからつけ場を見て右側上に前の「新橋鶴八」から持ってきた種札が新たに付けられている。若干長さが足らずに切り落としたが、種札の数は「新橋鶴八」のほうがずっと多いとの由。

早瀬氏は結構なお年だと思うが、ワインボトルを自分で持って来て、親方と、「この店はつけ場の床が低く、客席とも近いので、親方の顔が近くて威圧感あるな」など、結構憎まれ口を叩いて和気藹々とやっている。

お酒は菊正の冷酒を貰ったが、今度の店では他にもラインアップあるらしい。お通しはホタルイカ。カレイ、塩蒸し、シマアジ、アジ、ハマグリなど貰い、握りはニュー新橋ビルにあった時通り。しかし、つけ場には昭和の雰囲気を残しつつ、客席側の内装は新しく、つけ台も新しく削って、雰囲気の良い店。女将さん以下サービスの人数も多いので実に居心地がよい。

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寿司屋遍歴の最後に、戻るべくして、実は今まで来ていない此処に戻って来たのだ。これは、ある意味運命なのだと思う場所。「神田鶴八鮨ばなし」の場所だ。

神保町駅からすぐなので、これからもまた通わないと。



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