97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、團菊祭五月大歌舞伎、昼の部を観た
ゴールデンウイーク最後の週末、土曜日は、歌舞伎座にて團菊祭五月大歌舞伎、昼の部。

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十二世市川團十郎五年祭と銘打ってあり、昼の部は「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」の通し狂言。

「市川海老蔵五役相勤め申し候」とあるが、海老蔵が鳴神上人、粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王を一人で演じ、江戸時代に市川團十郎が定めた成田屋「歌舞伎十八番」のうち「毛抜」「鳴神」「不動」と3つが出るというお得なパッケージ。

同じ十八番の中の「押し戻し」というのも筋書は無く、花道で怪異な物の怪を剛力が押し戻す「ひとつの場面」なので、「鳴神」の後に入れたら4つも出る更に更にお得なパッケージになるのだが、主要な立役のキャラクターを全て海老蔵が演じている興行なので、海老蔵の鳴神上人を押し戻す役が居ないのだった。

最初は幕が開くと舞台付きで海老蔵が座り、十二世市川團十郎五年祭が開催できるお礼の口上を。今年は成田山開基1080年。成田屋所縁の新勝寺から「大本山成田山新勝寺 不動明王勧請」と不動明王の出開帳が2階ロビーに行われており「ご利益があると思いますのでどうぞお参りください」と口上に。次の幕間ではお参りの列が出来ていた。

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最初は、発端、序盤で20分の幕間に。2014年12月にも海老蔵で観ているが、この部分を観ていると、磁石と笄のセットを与えたり、序幕に小磯が殺されて短冊を奪われる場面があったり、干ばつの説明があったりなど、後に続く「毛抜」や「鳴神」の説明になっている。

そして次の幕は「毛抜」。海老蔵演じる粂寺弾正が、大らかに色好みの所も見せ、悪人の奸計を見破り征伐するという荒事特有の筋書き。海老蔵が座頭ということになるのだが、ただ雀右衛門が出てくると浮くほどに、他にあまり大物が出ていないのだった。

「毛抜」が大団円となって30分の幕間。

花篭で「花車膳」で一杯。

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次は「鳴神」。天下を旱魃に導いた鳴神上人の封印を解くために、色仕掛けで海老蔵演じる鳴神上人を籠絡する雲の絶間姫を菊之助が演じる。ただ此処でちょっと眠気に襲われ、白雲坊、黒雲坊と掛け合いで艶かしくもエロティックな場面を語る絶間姫の「クドキ」と、素知らぬ振りで聞き耳立てていた上人が引き込まれて興奮し、庵から転がり落ちる部分、そして癪を起こしたのも絶間姫の胸に手を入れて解放するという、江戸時代の観客が大興奮で観ていたと思しい見所を全て寝落ちしてしまった(笑)目が覚めると上人が酒を飲む盃事の場面。しまったなあ(笑)

高僧がメロメロになって堕落するという設定は、いわゆる久米の仙人の寓話にも似て、江戸時代のエロティック・コメディーの雰囲気。還俗したら名前を「市川海老蔵」等という辺りの海老蔵の軽妙な演技にも客席が沸く。

大詰めの派手な大立ち回りは観客を飽きさせずに実に凄い。花道で梯子を使った演出は「蘭平物狂」を思い起こす。最後の「不動」は、歌舞伎十八番とはいえキチンとした形が現存してないらしいが、筋書きではなくシーンを表すものらしい。最後は幻想的な演出で切りとなる。

「雷神不動北山桜」通し狂言は、海老蔵自身が五役主演で組み上げて何度も演じており、実に手慣れたもの。まさに成田屋の芸。

最後の演目は「女伊達」。時蔵が踊る短い舞踊。賑やかな新吉原仲之町の絢爛を背景に、気風の良い女伊達時蔵が、時に強さを時に女らしさをあしらって踊る。時蔵に華を持たせるような演目か。粋で洒脱で上手い。

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