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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、「六月大歌舞伎」初日、夜の部
歌舞伎座六月大歌舞伎初日、夜の部を見物。

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午後4時に歌舞伎座前到着したが、まだ昼の部の客が大勢出てきているところ。昼の部の打ち出しが3時52分で、入場は4時5分からとのこと。

結構昼の部も遅い終わりだが、夜の部も演目は2つで幕間は15分と30分の2回だけ。夜の打ち出しが9時15分というのもやはり遅い気が。比較的長い演目が2つ続く。

最初の演目は、「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」

人形浄瑠璃由来の世話物作品。以前海老蔵で観た時は、話の筋があまりよく分からず、人物の関係もイマイチ納得ゆかなかったのだが、さすがに二回目に見ると筋がある程度良く分かる(笑)もっとも、お梶が徳兵衛に気付くところなどは、前の段から出ないと分からないが、まあ歌舞伎は長い狂言を有名な所だけ切り取って出す上演が普通だからしかたない。

吉右衛門演じる団七九郎兵衛の最初の出はムショから出たばかりのヨレヨレ。ちょうど「石切梶原」の二つ胴を切る際に牢から引き出された罪人の如し。しかし着替えて出てくるとパリッとしてその差が際立つ。久しぶりに会う息子の一松役で、娘婿である菊之助に連れられて孫の寺嶋和史が出演。デレデレの様子に客席も沸く。米吉演じる傾城琴浦も可憐な感じで良い。

「鳥居前」での立ち回りは、様式的にあれこれ面白い形がつけてあり興味深い。「三婦内」で雀右衛門お辰が焼けた鉄串を顔に押し当てる演出は、なかなか印象的。

今は念仏三昧の好々爺だが、昔はさんざん喧嘩もして悪かった強面の爺さんである釣船三婦が、訪ねてきたごろつき権と八を待たせて昔の鉄火な着物に着替えながら「分かっとるわい、ちょっと待っとれ」「やかましいわい」等と関西弁で怒鳴る。歌六が新喜劇のように軽妙に演じており、実に面白かった。

吉右衛門は初日ながらさほどアーウーなく台詞は殆ど入っており存在感あり。歌六の重厚と軽妙を交差する演技も印象的。大阪のうだるような暑さの下町の情景が描かれていると、どの解説にも書かれているのだが、あんまり夏の風情を感じないのが不思議なところ。江戸下町の夏を感じさせる演目はたくさんあるのだけれどもねえ。

大詰めの「長屋裏」橘三郎演じる三河屋義平次は、憎々しい爺様としてなかなか印象的に成立。もみ合う内にうっかり傷つけてしまい、更に憎々しく騒がれたために、義父であってももはやこれまで、殺さねばならぬと深みに嵌ってゆく焦燥と絶望。そして祭りのダンジリの賑わいを背景に風のように去る団七九郎兵衛を吉右衛門が印象的に演じる。あれこれと決まる型もあり、吉右衛門は立ち回り大奮闘。

ただ、汚い爺さん相手の立ち回りであって、情景としてあまり華は無く、立ち回りは全体として長過ぎる気がしないでもないかな(笑)団七内の場、大勢の立ち回りはカット。

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途中に15分の幕間を挟んで最初の演目が終わった所で30分の幕間。花篭食堂はガラガラ。6時55分から食事というのはちょっと遅い印象だが、やはりそのせいだろうか。

切りの狂言は、「巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ)」

宇野信夫作、十七世勘三郎の当たり役を芝翫が演じる。24年ぶりの上演なのだそうで、まったく予備知識無かったが、実に面白かった。

笑いを誘う軽妙な世話物から、後半は怪談風味に。松緑は、愛嬌も人情味もある悪党、虎鰒の太十を印象的に演じる。ニンにあるんだね。芝翫も、金に汚い因業な破戒坊主の爺様、龍達役であるが、時代物の男臭い立役よりも世話のこんな軽妙な役のほうが合っているような気もしないでもない。白塗りではなくあまり化粧っ気を感じさせない雀右衛門も、世話物の女形として印象的。

隠していた金を掘り出した分け前で怒鳴り合いの喧嘩になる所もおおいに笑わせるが、怒り余った虎鰒の太十が龍達に毒を盛った所から舞台は急にサスペンスあふれる怪談風味に。前半とのコントラストも面白い。亡霊となった龍達が現れ、背筋が寒くなった所で幕。ただまあ、夜の切としては、ちょっと後味悪いかな(笑)

夜の部は、最初から、鶏爺さんの声も「空耳アワー」の如く、時折幽かに聞こえる。そして、前回の歌舞伎座もそうだったのだが、今回も一階席前方から声掛けるオッサンが。

イキった声で「二代目!」「キオイチョ!」など実にウザいんだ、これが(笑)そして、「巷談宵宮雨」の最後の場面、芝翫が亡霊として立ち尽くす所でまたイキった声で「ン~ナリテヤ~!」とデカイ声を。あの場面に成田屋出てたとは知らなかったな(笑)

この日の打ち出しは9時15分。翌日以降の時間表をwebで見ると、進行がちょっとだけ早くなったようだ。


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