97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、「七月大歌舞伎」、夜の部
先週土曜日は、歌舞伎座、七月大歌舞伎夜の部。昼夜共に市川海老蔵が座頭を務める公演。夜は通し狂言 「源氏物語(げんじものがたり)」。

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当代海老蔵の祖父に当たる十一代目市川團十郎が、九代目市川海老蔵を名乗っていた頃、光源氏を演じて大当たりを取ったのがこの新作歌舞伎「源氏物語」。「海老様」と呼ばれて大変な人気になり、ファンの女性は「海老はとても口に出来ない」となって、銀座の寿司屋や天麩羅屋で海老の売上が減ったというエピソードがイヤホンガイドで。亀蔵が大人気になるとスッポンの売上が減るかな(笑)

同じ成田屋ゆかりの「源氏物語」だが、海老蔵が自主公演で演出を練り直し、海老蔵の宙乗りあり、息子の堀越勸玄の登場あり、オペラ歌手も能楽役者も出て、壮大なプロジェクション・マッピングがあり、華道もありという、満艦飾の煌びやかな舞台。

イヤホンガイドでは、「海老蔵公演のお客様にはあまり歌舞伎座に慣れていない方も多いようでございますが」などと語られていたが、確かに、開演前に歌舞伎座前で待つ人数や、イヤホンガイドに並ぶ人数も尋常では無く、地方からの団体ツアーのお客が多いのではないかと思える。反面、幕見の列は短い。

歌舞伎界の事情には明るくないので理由は分からないが、海老蔵が座頭の公演は、なんとなく座組が軽い感じが。まあこの公演は、オペラ歌手、能楽者など客演が多く、歌舞伎以外の面で実に賑やかな舞台。

「源氏物語」は、学校の古文で教材になったりして、大概の日本人には大筋は知られているものだが、天皇の子に生まれながら、とめどなく女性遍歴を繰り返す光源氏の、承認欲求と心の深い闇、そして最後に訪れる父への理解と許しの物語が、オペラや能楽を自在に使いながら語られて行く。ストーリーや登場人物がある程度頭に入っていると、ストーリーは分かりやすく飽きない舞台の進行。

筋書きを読むと、テナーとカウンターテナーのオペラ歌手はどちらもアメリカ出身で、筋書き記載の歌詞も英語なのだが、歌っているのを聞くと全然英語に聞こえない。まあ義太夫や浄瑠璃にしても普通の日本人が聞くと日本語に聞こえないから、そんなものなのかねえ。発声が違うからか。オペラにはまったく明るくないが、実に不思議だ。「Never Never Never」と繰り返す部分だけ英語に聞こえた(笑)

序幕の後で30分の幕間。3階の花篭食堂で刺身御膳を。

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ふと見ると、前の列に「スカルノ・デヴィ」という名札あり。しばらくすると、本物のデヴィ夫人が10名ばかりのご一行と共にやってきたのであった。

オペラ部分を担当する、アンソニー・ロス・コスタンツォとザッカリー・ワイルダーは、客席からも登場して舞台前でも歌うのだが、目前で聞くと鍛え上げた艶のある肉声の迫力は凄い。

能と歌舞伎の競演というのも、江戸時代の人が見たら度肝を抜かれたであろうが、現代の歌舞伎ならではのコラボ。プロジェクション・マッピングも実に派手であるが、ちゃんと新作の歌舞伎に馴染んでいる。

最後は出演者全員でカーテンコール。最後まで海老蔵息子の出番があるせいか、打ち出しは8時5分と実に早いのが助かる。これが歌舞伎かと言われたら、やはりそれでも歌舞伎なのであろう。めまぐるしく変わる舞台の演出に、なかなか飽きずに楽しめた。



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