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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座、八月納涼歌舞伎、第一部を見た
日曜日は、歌舞伎座、八月納涼歌舞伎、第二部を。11時の開演。人手はそれほどでもない印象。弥次喜多のある第二部は既に全席売り切れだと言うが。

最初の演目は、「花魁草(おいらんそう)」

北條秀司 作・演出で初演が昭和56年というから、歌舞伎としては新しい新作歌舞伎ということになる。

江戸安政の大地震で灰燼と化した吉原と浅草芝居町の猿若町から、命からがら逃げた遊女と大部屋役者が、夜の明けた江戸外れの河原で偶然に知り合う。中川というのは、今で言う江戸川区平井の辺り。夜空と遠くにまだ焼けている江戸の町の照り返しが、序幕背景で印象的。

幸四郎扮する栃木の百姓に助けられた二人は、お互いに惹かれるものを感じながら、栃木の田舎で、叔母と甥と称しながら暮らす事となる。苦界に身を落としたが、直情径行、明るく真っ直ぐな下級遊女、お蝶は10歳年下の幸太郎を恋するが、年齢の差と自分の経歴から、結局プラトニックなまま身を引くことになる。お蝶は、扇雀が好演。幸太郎、獅童もよかった。百姓米之助は幸四郎が達者にこなすが、この納涼は、一部から三部までほとんど出ずっぱり。今後の歌舞伎界を自分が引っ張るという宣言でもあるのだろうが、それにしても大変だな。

有名になった幸四郎が栃木の昔住んだ家を訪れ、船乗り込みで大歓声を受ける中、ひっそりと見送るお蝶が印象的なラスト。扇雀は女形として、なかなか印象的に成立していた。

二番目は舞踊。「龍虎(りゅうこ)」。幸四郎と息子の染五郎が竜虎に扮して踊る。夏の納涼歌舞伎は興行が枯れる酷暑の8月に、当時は中堅で中々大きな出番が無かった18代勘三郎と三津五郎が企画して始めたと聞いたが、既に二人ともこの世に亡く、人間国宝や文化功労者のような大幹部を外して、これからの歌舞伎の将来を支える中堅とその御曹司世代が大挙して出演する興行になっており、これはこれで実に結構な話。染五郎も随分と踊りの稽古しているのだね。興行出ずっぱりの、幸四郎の体力には驚く。勇壮な毛振り、鮮やかな引き抜き。

切の演目は、「心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)」

古典落語をベースにして、上方で練り上げた落語を歌舞伎化。落語らしい滑稽味ある筋運び。獅童が、七之助演じるおたかの母親役で女形というのも珍しい。星野屋照蔵を演じる中車も安定の存在感であった。



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