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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
銀座「鮨 み富」訪問。
午後に電話すると空いているとの事で、水曜の夜は銀座「鮨 み冨」で一杯。

入店すると客はまだ私一人。定番の酒も置いてあるが「季節のお勧め」として一升瓶を見せてくれる日本酒から、新潟の冷やおろし冷酒を飲みながら、のんびりと始める。7月30日に開業してまだ2ヶ月足らず。しかし商売のほうも、食べログでランチを宣伝してくれる客が次々にいて、割と順調であるとのこと。なかなか結構ですな。

奥の調理場から、以前「銀座 新富寿し」の二番手でつけ場に立っていた職人さんが顔を見せ、久々に挨拶を交わした。数年前に身体を壊し休んでいたとの事だが、今般弟弟子の三橋氏が独立するにあたり声をかけて貰い、一緒に手伝っているとの事。三井さんと言ったか。「み富」の「富」は「新富」から一字。「み」は二人の苗字が共に「み」で始まるからだと前に聞いた。今は厨房で仕込みだけだが10月にはつけ場にも復帰する由。「またよろしく」とご挨拶。

ちなみに二人がいた「銀座新富寿し」は、先々代が創業。池波正太郎が株屋の小僧だったころ、銀座で初めて入った寿司屋。爪楊枝をくわえて店を出ようとしたら「お客さん、若い人がそんな真似をしてはいけませんよ」と注意してくれたとのがこの先々代。しかし次の代は店を継がず、孫が引き継いだのが去年までやっていた店。代替わりの間を繋いだのが、もう引退した老練な二名の職人だという。

つまみはまず白身から。ヒラメ、シマアジ。小さめのポーションで切られてくるが、あれこれ食するにはちょうど良い。昆布〆も準備あり。煮アワビを貰う。新富独特、煮貝のような濃い味付けの仕事。酒に合う。

お酒は二杯目から広島の冷やおろしに切り替え。こちらのほうがふくよかな甘みあり。タコ、タイラギ、石垣貝などもつまみで。石垣貝も江戸前の種ではあまり見ないが、昔も流通していたらしい。

最近は台風や北海道の地震で河岸にもちょっと影響あったと。築地は全国から荷が集まるからなあ。豊洲移転の時には、店を何日か休み、客席後ろにも荷物入れを置くなど、店内をもう少し改装するらしい。事前に色々と考えて設計したものの、実際に使うとなるとあれこれ動線が気になったり、改善する点が出てくるのだろう。自分の店だものねえ。

「新橋鶴八」の五十嵐親方が友人と連れ立って来た話もあれこれ。その後で来た「新橋鶴八」大常連O氏の事も覚えていた。次のお客さんが来るまでカウンタは私一人だったのであれこれ親方と雑談して実に面白かったな。

このあたりで握りに。自分でつける醤油皿も選択できるが、煮切りをつけてもらう。握りは小さめで酢飯は酢も塩もさほど強くないプレインなもの。

まず赤味ヅケに中トロ。マグロは近海もあったが脂の乗りがもうひとつで、ボストン産だとか。 新イカは一杯で3貫どりの大きさ。まだ独特のパキパキ感は無いが爽やかな甘味。酢〆のアジも新富独特の仕事。ただ新富時代より甘味は抑え、塩を強めにしているとのこと。サンマも酢〆で。焼き魚用はこれから最盛期だが寿司種としてはこれ以上脂が乗るとくどさが塩と酢では落とせないので、この店で寿司種として使うのはそろそろ終わりとか。ハマグリも漬け込みの江戸前仕事。穴子も店によって仕事は様々だが新富独特のやり方を残している。最後はカンピョウ巻。やや甘味のある濃い味のカンピョウが満載というのも新富流。

寿司屋には店によって色んな仕事や流儀があるし、店との相性もある。あちこち食べ散らかさず、気に入った数店に碇を下ろして、巡回しながら店の違いを楽しむのが好きだな。

「み富」も、仕事には新富伝来の江戸前技を継承しながら、新規開店らしい新しい試みが随所に見える良い店。これからもっと良くなるだろう。また空いた時間に訪問しよう。


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