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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
国技館、「日馬富士引退断髪披露大相撲」を観た。
先週の日曜日は、「日馬富士引退断髪披露大相撲」を見物に両国まで。

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台風24号が接近する中、前日は成田近郊でゴルフ。この日曜日は、まだ雨は降っていないのだが、タクシーは捕まらず、地下鉄を乗り継いで大江戸線両国駅まで。

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開場11時。本場所の興行では8時半から開場で、観客は三々五々場所入り。4時過ぎにならないと来ない人も大勢。あまり入場門が混むことはない。しかし引退興行は開場と同時に大勢が一気に来場するので、入場口は結構ごった返していた。切符をもぎるだけで取組表は一番奥で貰ってくれというのは入場をスムースにするなかなか良いアイデア。もっとも取組表を渡す所も大混雑で大変だったが。

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売店も開いており、こちらも本場所の11時ならまだまだ余裕で空いているはずの時間。これまた長蛇の列なのは、観客の入場が早いのと、茶屋経由席が無く、客全員飲食物を買い物に来るからではなかろうか。

まず本日の司会を務めるNHK藤井アナウンサーの挨拶。 最初に「写真は撮って頂いて結構ですが、SNSやインターネットでの公開はご遠慮ください」と。

大相撲本場所を撮影した画像でも、ネットに上げて別に何も規制も無い。異例のアナウンスとも思えるけれども、引退の経緯が経緯だったし、直近でまた一方の当事者、貴乃花が親方引退とか、妙な事を盛大にやらかしている。変に目立つと日馬富士が無用なネットでの批判を受けては気の毒だという配慮だったのではないだろうか。相撲を観に来た事も無いのに相撲協会やモンゴル力士を口汚く罵る輩もネットにいるからなぁ。

もっとも新聞やTVでは、公衆にあれこれこの興行の写真が既に出ている。別に秘密会合ではない訳だし、既にメディアに流されているような写真については、何枚かだけブログに掲載するとしよう。

相撲甚句で始まる事もあるが、今回は十両土俵入りでスタート。

出てきている力士の数は、本場所よりも少ない。引退相撲は、その力士の後援会が力士会の協力を得て行う独自の興行。関取衆は今までの付き合いもあるし、お互い様でもあるから力士会として協力する。呼び出しや行司さんには別に謝礼払っているのかな。

次は「初っ切り」。これも巡業や花相撲名物。勝武士と恵比寿丸。コミカルなコント相撲だが、なかなか息があってテンポが良い。

そして十両取組。後半で行われる幕内の取組もそうだが、花相撲は余興であって、本場所の正式な勝負ではない。独特の、のんびりした雰囲気。怪我しないよう、張り手やかち上げ、立合いの変化や足技、無理な投げや土俵際でのうっちゃり等は暗黙の了解として禁じ手である。突き押しの力士も大概最初から四つに組む。しかし観客を沸かせるよう、一応エッチラオッチラやって、攻めては攻められ、決して一方的な勝負にはならないのが興行の妙。

取組には一部変更があり、十両の炎鵬に替えて、現在幕下に落ちている誉富士が登場した。伊勢ヶ濱部屋で日馬富士の弟弟子でもあり、本場所ではないので、花を持たせてやろうということだろうか。

十両取組が終わったところで、日馬富士が万来の拍手に迎えられて登場し、横綱綱締め実演。最初、東から出てくるのかと思っていたら、西から登場。綱締めを披露してから東の花道に去る。

そして今度は東の花道から、「第70代横綱日馬富士 最後の土俵入り」。

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露払いは横綱鶴竜、そして太刀持ちは横綱白鵬と横綱2名を従えて、なんとも豪華なモンゴル3横綱揃い踏みの土俵入りであった。折角だから稀勢の里も出してあげたらと思ったが、横綱土俵入りは3人でやる習慣だからなあ(笑)あの独特の低い構えからのせり上がりもこれで見納め。観客からも大きな歓声が上がり、館内は万雷の拍手に包まれた。

3横綱が東花道を下がってから、宝富士をモデルに髪結い実演。これまた伊勢ケ浜部屋後輩。毎回、歌舞伎の「髪結新三」を思い出す江戸情緒。

そして、再び日馬富士が羽織袴で登場し、本日のメインイベント、断髪式に。

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前に豊真将の引退相撲でも見たが、四方に緋毛氈を敷き、順々に、正面、東、向こう正面、西と向きを変え全てのお客さんと対面する方式。どの方角からも見えて実に親切なやり方だが、方角が変わって行くので土俵に上がる人のコントロールが難しいか。

断髪式に土俵に上がる人は総勢460人と言ったか。これは相当多い。まず来賓クラスが正面を向いた日馬富士の大銀杏を、行司の指示にしたがい、大きな金の鋏で少しずつ切ってゆく。

子供達の歓声が上がるたびに笑って手を振り、知り合いから呼ばれるたびに穏やかな笑顔でそちらにしっかり目をやり頷く。そこに涙は無い。断髪の後で来賓に声を掛けられると、律儀に日馬富士のほうから握手を求めてお礼を述べる。実に穏やかな雰囲気で進められる断髪式。

朝青龍もモンゴルから来日して登場。大きな拍手が沸く。地下の広間では日馬富士の絵画が展示されているとの途中で司会者の案内もあり。一旦席を外す人も多いが、「日馬富士~!」の掛け声は止まない。

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断髪式ばかり観ていても暇なので、ちょっとだけ外へ。雨はまだ大丈夫だ。しかし国技館の中にいると、外が雨でも嵐でも関係ない異界にいるような気がする(笑)館内に入ればそこは江戸時代。一種の結界の中に思えるからだろうか。

関係者が終わった後は、日馬富士のモンゴル親戚。そして伊勢ヶ濱の先輩、安美錦、そして現役3横綱。稀勢の里は、お互いに切磋琢磨していた頃のエンジ色の締め込みで登場。もう一度本場所の土俵での対決を見たかった。

最後に伊勢ヶ濱親方の止め鋏で大銀杏が完全に切り離される。流石に人数が多く、幕内土俵入りと横綱土俵入りが取組表には2時15分開始とあったが断髪が終わったのが3時過ぎだったか。

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その後、土俵には日馬富士だけが残り、土俵だけが明るく照らされ、館内は真っ暗。そして日馬富士土俵人生紹介。モンゴル語はちっとも分からないが、切々と歌い上げる、何故か懐かしいような、草原を渡る風を思わせるような歌が流れて実に印象的だった。

その後は櫓太鼓打ち分け実演。これも何度も聞いたことがあるが、やはりテンデンバラバラの跳ね太鼓が有名か。

そして、幕内取組。4時打ち出しと聞いていたが、この時点で3時を過ぎている。大丈夫かなと思ったが、塩を2回撒いたら時間ですという事で、巻きが入った高速の取組回転。十両安美錦は幕内取組に登場。これまた、日馬富士の部屋、伊勢ヶ濱ーズへの配慮と言えるだろうか。

こちらも十両と同様、花相撲。とは言え、貴ノ岩はやはり出ていない。自分とは関係ない揉め事でさぞやウザかろうに、貴景勝が出て来たのは、ある意味偉いなと感心。

審判も東と西しかいない。審判に座る親方もリラックスしており、控えの力士と何やら笑いながら会話したり。東の審判に座る元旭天鵬の友綱親方は、正面一列目に座った派手な若い女性と、結構距離があるにも関わらず、えらく親しげに喋っていた。よく行く店のお姉さんか(笑) 幕内取組最後のほうは、前列に居た断髪式参加の来賓も次々帰り、後は知り合いばかりの和気藹々とした雰囲気のよう。

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弓取り式は聡ノ富士。18年3月場所から春日龍に変わったのだが、日馬富士と同じ伊勢ヶ濱部屋所属で、日馬富士が結びを勤めた後によく弓取りをしていたからだろう、今回再び弓取り式に復帰。久しぶりに見たが懐かしい。

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弓取り式の後、髷を切った髪を整えた日馬富士が、タキシードを着て登場。最後の挨拶を。何を言おうか考えたが、やはり皆様への感謝しかないと述べ、(相撲協会には勿論残らないが)、相撲への愛を語り、これからもよろしくお願いしますと前向きの挨拶でしめた。そうだ、力士の人生は引退してからのほうがずっと長いのだ。これからの長い航海の船出を祝して、館内からはまた盛大な歓声と拍手。

国技館での引退相撲は何度か見物したことがあるのだが、本場所とは違い、観客は基本的にその引退力士のファンばかり。会場全体が、力士の現役時代の功績を称え、これからの人生に幸多かれと祈る雰囲気に溢れて、実に心温まる興行なのだった。

特に印象的だったのは、日馬富士の穏やかな笑顔。そして、観客席のあちこちから寄せられる、女性の「日馬富士、ありがとう!」という声。中には振り絞って叫ぶような声も。真面目な努力家で真摯な人柄が好かれ、ファンに人気のある横綱であった。不本意な引退ではあっただろうが、第二の人生も全身全霊で、更に高見を目指してほしい。

国技館を出た時にはポツポツ雨が降り出していたが、風は無く、なんとか無事に帰宅。




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