FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座「十二月大歌舞伎」昼の部を観た
先週日曜は、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」昼の部に。客席後ろにはカメラが入り、舞台前には集音マイクが設置されていた。

20181217092132639.jpeg 20181217092154722.jpeg

まず最初の演目、「幸助餅」は、松竹新喜劇の演目を新作として歌舞伎に取り入れたもの。相撲取りに入れ揚げて身上潰す大店の主人を松也が。相撲取り雷を中車が演じる。

以前、大相撲九州場所に遠征した時に空港から乗ったタクシーの運転手は話好きで、相撲見るから福岡国際センターにやってくれというと、「私も相撲には昔凝って、貴闘力のタニマチやっていたんですよ」と言う。色々聞いてみると、化粧廻しもプレゼントして、写真はまだ家にあるはずだと。飯食わすのも、お目当ての力士だけでなく「誰それも連れていっていいですか」と聞かれるとダメだとは言えない。大体大勢で来て食べてまた飲むし、時には女もあてがわなくてはいけない。タニマチも大変な物入なのだとか。なんでそんなに羽振りの良いタニマチの旦那がタクシー運転手になったのかの顛末は聞き漏らしたが、人生の栄枯盛衰はさながら夢の如し。

という訳でこちらの新作歌舞伎でも、身上をつぶした松也の境遇には感慨あり(笑)恨みを買った雷との再会と「実は」という種明かしが松竹喜劇らしい人情モノ。中車はなかなか立派な関取を演じる。萬次郎の三ツ扇屋女将お柳も、人情味を感じさせて良い。

お昼は花篭食堂で「花かご御膳」

20181217092210f69.jpeg

次が二回の幕間を挟んでの大作、坂東玉三郎が監修した「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」。いわゆる「お染の七役」

この演目は初見と思っていたら、土手のお六が出る辺りでなんだか見覚えのあるシーンに遭遇。アレっと思って筋書で上演記録見ると、今年3月歌舞伎座で、「土手のお六」の段だけ、仁左衛門・玉三郎コンビで上演があったのだった。同じく3月の興行では、壱太郎が「滝の白糸」主演で同座しているから、玉三郎の土手のお六は見て勉強する機会があったろう。今回は早変わりも入れて自分が主演で「お染の七役」を歌舞伎座で演じる事に。玉三郎の若手女形育成計画は着々と進んでいる。

土手のお六が強請を働く段で鬼門の喜兵衛を付き合うのは松緑だが、目をギラリと剥いた迫力に、形勢が不利になるとこりゃダメだと引く粋な軽妙さもあって、なかなか印象深く成立している。

壱太郎の「土手のお六」は、「悪婆」という色々しどころのある役だが、3月の歌舞伎座、玉三郎と比べると、悪の貫禄と割り切った愛嬌にちょっと欠けて、人物造形の魅力という面では、やはりまだ一人では持ちきれない気がする。勿論、セリフ廻しなど玉三郎の教えを受けたのだと思える所も多々。

早変わりは、実に頑張っている。しかし、女形だと衣装が大変だろうなあ。奥女中竹川、芸者小糸などは壱太郎に良く似合って印象的。上手に消えて、別の人物が花道からまた出てくるというのは、奈落を走っているんでしょうなあ、体力勝負だなあ、セットになっているお染久松を一人でやるのも大変だなあ、と様々な感慨が沸く。

早変わりで出てくるとお客さんの拍手も集めてなかなか面白い見物。ただ早変わりモノでいうと、もっと動きがあって派手な作品があるよねえ。



関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する