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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座「二月大歌舞伎」、昼の部を観た
先週の日曜日は、歌舞伎座「二月大歌舞伎」、昼の部。

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今回の公演は昼夜とも「初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言」あり。死後に三世尾上松緑を追贈された尾上辰之助は、当代の四代目松緑の父親ということになる。

最初の演目は、初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言、「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)すし屋」

竹本座で演じられた人形浄瑠璃から歌舞伎に。関西では子供が悪さをすると「ゴンタな子やなあ」などと昔は言ったもので、これはこの演目の「いがみの権太」から来ている。 

当代松緑は、「いがみの権太」は初役だそうであるが、「義経千本桜」の三役の中では一番自分の素に近いと筋書きで述べている。確かに本人のニンにあるのだ。菊之助の弥助は高貴な雰囲気、梅枝のお里も田舎娘の純朴な可愛らしさを出して印象的。

演目として見ると、田舎娘の純な恋は成就しない、首実検の首は偽物、悪人が善人へと回帰する歌舞伎独特の「もどり」。歌舞伎のお約束があれこれ盛り込まれた作品。しかしストーリーの展開は、特にいがみの権太が親父に刺されてからが結構間延びしてスローで、「もどり」の演出も唐突。まあストーリーを楽しむというよりも、役者を見物する作品なのかもしれない。前の段にあたる「木の実」「小金吾討死」が出ないと、親父が持って帰る首の由来や、いがみの権太の妻子が身代わりになった事も分かりづらい。

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お昼は花篭で「刺身御膳」。よく見る接客担当の温厚そうなおじさんが福豆の大入袋をテーブルに置いていってくれた。この人は前にも「賢者の食卓」の試供品をくれた。良い人だなあ(笑)

お昼休憩のイヤホンガイドでは、二世松緑、辰之助と子供時代の四代松緑が三代揃ったインタビュー再録。当代松緑は子供の頃からハキハキと自分の言葉で喋り、大層利発な子供だったことが感じられる。

次の演目も、「初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言」。

長谷川伸原作の新歌舞伎、「暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)」

序幕の舞台は、隣家も含めて二階だけであり、階下の出来事は物音だけで描写される。丑松と夫婦になった娘のお米を妾奉公に出そうとする強欲な母親お熊と、折檻役に雇われた浪人は、丑松を殺そうと階下に降りて行き、丑松に返り討ちに合うのだが、殺人の場面を見せない演出が逆に舞台に緊張感を与える。

人を殺した暗澹の遁走、兄貴分に預けた恋女房が女郎になっていた再会の衝撃、兄貴分の裏切りを訴える恋女房を信じてやる事ができなかった為の悲劇。丑松はそしてその恨みを抱いて更なる闇に落ちてゆく。大詰めの湯屋でも、殺人の場面は直接には描かれない。それがそこまでの闇が深いだけに、それが観客の想像力を掻き立てる。時蔵と菊五郎は息の合った円熟の演技。

実にエモーショナルな世話物であるが、誰も幸せにならないまさに暗闇の作品。夜の部に出る「名月八幡祭」でもそうだが、辰之助はこんな悲劇に生きる陰影のある役が得意だったようだ。早世した原因になる大病を抱えた故の影であったのかもしれないが、一度舞台を観てみたかったなあ。写真を見ると当代の松緑は目元がよく似ている。

最後は。「団子売(だんごうり)」

芝翫と孝太郎が仲睦まじい団子売の夫婦に扮して餅とつき、面をつけて軽妙に踊る。短い舞踊で打ち出し。





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