「遺稿集」
(鴨志田穣)読了。
漫画家西原理恵子の元夫、鴨志田穣が腎臓ガンで死去したのは昨年の3月。ちょうど、出張で日本に戻っている時、ホテルの部屋でネット接続していて知ったのだった。享年42歳。
この本は、死の寸前まで「Ozmall」に連載されていた文章や、未整理の遺稿を集めた、おそらく最後になろう著作集。前書きも解説もなく、ただ途中で終わった未完の作品だけが、ポツンとそこに放り出されているかのような寂しい本。
ネット連載されていた「カモのがんばらないぞ」は、アル中病棟からガン病棟への転院直後でぷつりと終わっている。もしも、著者が生還していたなら、この原稿は完成し、「酔いがさめたらうちにかえろう」の続編となっただろう。
「焼き鳥屋修行」は、4年間かけて数枚ずつ編集者に渡されたという、未完の自伝的小説。作品としての整理はまだなされておらず、段落もなく延々とただ続く描写。小説として成立はしているとは言い難いし、文章もお世辞にも上手とはいえないが、文体に妙なリアリティと迫力があり、おもわず作品世界にひきこまれる。しかし、この物語も、やはり途中で放り出されている。
巻末に置かれた「邂逅」は、元妻にして最大の理解者、西原理恵子との運命の出会いを描く。本当に最後の遺稿となったこの小品だけが、遠い日の追憶と共に、実に鮮やかに完結している。最後の一行を遺すために、この本は出版された。おそらくそうなのだろう。
漫画家西原理恵子の元夫、鴨志田穣が腎臓ガンで死去したのは昨年の3月。ちょうど、出張で日本に戻っている時、ホテルの部屋でネット接続していて知ったのだった。享年42歳。
この本は、死の寸前まで「Ozmall」に連載されていた文章や、未整理の遺稿を集めた、おそらく最後になろう著作集。前書きも解説もなく、ただ途中で終わった未完の作品だけが、ポツンとそこに放り出されているかのような寂しい本。
ネット連載されていた「カモのがんばらないぞ」は、アル中病棟からガン病棟への転院直後でぷつりと終わっている。もしも、著者が生還していたなら、この原稿は完成し、「酔いがさめたらうちにかえろう」の続編となっただろう。
「焼き鳥屋修行」は、4年間かけて数枚ずつ編集者に渡されたという、未完の自伝的小説。作品としての整理はまだなされておらず、段落もなく延々とただ続く描写。小説として成立はしているとは言い難いし、文章もお世辞にも上手とはいえないが、文体に妙なリアリティと迫力があり、おもわず作品世界にひきこまれる。しかし、この物語も、やはり途中で放り出されている。
巻末に置かれた「邂逅」は、元妻にして最大の理解者、西原理恵子との運命の出会いを描く。本当に最後の遺稿となったこの小品だけが、遠い日の追憶と共に、実に鮮やかに完結している。最後の一行を遺すために、この本は出版された。おそらくそうなのだろう。













