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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
新年最初、「新ばし 笹田」訪問
先週、木曜の夜は「新ばし 笹田」。

去年の年末、カラスミを受け取りに行った時に新年初訪問の予約をしていたのだった。金曜日は年休にしたので、本日はのんびり飲んで食べて。キャンセルがあったとかで、意外に空いている。

まず、入店して笹田親方と女将さんに新年のご挨拶。お弟子さん達も挨拶がきちんとしている。まだ他のお客さんが居ないので、笹田氏としばし雑談。新年は6日月曜から開店したので、結構長い年末年始のお休み。しかし笹田氏はどこにも行っていないとか。知り合いの店で購入したお節を食べていたのだが、3日になるともう飽きてきたとの事。

まずお酒は、九平次純米大吟醸。爽やかな酸味とふっくらした米の旨味のバランスが良い。

最初は、濃厚な白味噌の雑煮。海老芋、人参、小さな丸餅。ごく小さな器だが、あえて味噌味をちょっと濃くしてあるそうで、身体が実に温まる。

香箱蟹とズワイ雄の脚ほぐし身蟹味噌添え。香箱は香住産。漁は昨年内で終了したのだが港で囲ってあるものが新年に名残で出るとか。この日のは7日に入れたおそらく最後の物と。旨味のある味噌とオレンジの内子、プチプチした食感の外子。香箱は昨年末で終わりと思っていたが新年早々に予約して実によかった。ズワイのほぐし身は、蟹本来の身肉の美味さ。昔、冬に金沢を訪問して、港近くの寿司屋でカニづくしコースを食したのを思い出すなあ。

ふぐ白子焼。タラよりも癖が無く、しかし底光りする純粋な旨味が濃い。フグの白子は、1月、2月が旨くなってくるとの事。銀座「福治」の話など笹田氏として実に面白かった。

ナガス鯨の尾の身。アイスランド産。入店した時に、もしも飽きていたらローストビーフとも差し替えできますよと聞かれたが、牛は何処でも食えるからなあ。しかし鯨が嫌いな人の為に用意しているのか。この店で料理が出されたお客が「これ食べられないんです」と言い、「それは申し訳ありません」とすぐに別の食材で何か作って差し替える場面は何度か目にした。仕入れに厚みもあるのだろうが、何時も素晴らしい気配りだと思う。

尾の身にも筋の部分があるそうで、生では食感が触るのでと筋の多い部分のしぐれ煮も貰う。鯨赤身肉の大和煮缶詰なんて昔はあって感心しなかったが、生の尾の身をしぐれ煮にするとネットリして美味いなあ。

定番の壬生菜と油揚げ煮物。プロが仕事して作るとお惣菜がこうなるのだという感慨をいつも感じる。この辺りで酒肴は終わって日本料理の基本である一汁三菜に移行する。

お造りの小さな天塩皿は、醤油がワサビ用と生姜用、そして塩。青森のヒラメは上品な脂。塩でも大丈夫。佐渡のブリは脂のびっしり乗った腹の身。天然独特の歯応えと癖のない旨味。カツオは仙崎だったか。脂は全体に乗って旨味もある。タコも身肉の旨味あり。どれも上質。ここのお造りは何時も素晴らしい。

お椀は、鯛にゅうめん。「笹田」の鯛にゅうめんは、滋味深いがくどくない出汁に、ほのかに鯛の風味が香る。具になる鯛のほぐし身も美味い。細い三輪そうめんに、出汁が一杯に含まれている。一気に食した(笑)最近のラーメン屋で、養殖の鯛のアラを大量にぶち込んでスープを作る所もあるらしいが、笹田氏によると鯛の出汁はごく控えめにしているとのこと。

焼き物は白甘鯛の塩焼き。皮目はパリパリに香ばしく、身肉はフックラと甘い脂が乗って素晴らしく美味い。煮物は、この店名物の京野菜おでん。串に刺した鶏皮、魚介すり身揚げ、半熟のうずら卵、蕪、海老芋、京人参。「おでん」と称しているものの、出来合いの素材を同じ鍋で炊いたものではなく、それぞれの素材が個別にしっかり調理され、最後に器で出汁と共に蒸し上げる。

食事は、炊飯土鍋で炊きたてのご飯。ちりめん山椒、お新香、ワサビ漬、赤出汁以外に、この日は宍道湖の天然鰻炊き上げが添えられる。大きな身の鰻を、甘辛の味で長時間炊いたのだとか。ご飯に良く合う。ご飯はお焦げを入れてお替りを。日本人はやはり炊き立てのご飯だ。

お茶が番茶から煎茶に変わって、最後の甘味は何時もの白玉団子の冷製ぜんざい。この日は、美味いもの尽くしで、本当に満腹であった。

勘定を待つ間、奥の焼き場にいる「笹田の海老蔵」に「旨かったよ」と声をかけると笑顔で駆け寄ってきて「白甘鯛ですよね!」と言う。そう、皮目は焦げていないがパリパリで香ばしく、身肉はフックラと柔らかく旨味をしっかりと残して焼き上がっていた。「腕を上げたね」と褒めると、「違うんです。素材が本当に良かったんです」と。しかし、自分のやった仕事を誇らしく思えるのは素晴らしい話である。これからも元気に修行してもらいたい。

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