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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
久々に「新ばし 笹田」訪問、今年初の鮎
「新ばし 笹田」が6月から営業していると聞いて電話したのは15日だったか。今年は1月に訪問して以降、2月、3月とコロナ関係で自粛ムードも高まり、次の訪問を決めないうちに在宅勤務に突入してしまい、外出自粛で既に6月。

金曜日が空いているというので早速予約。もう殆どの飲食店が営業を再開している。お姉ちゃんのいる夜の店も19日(金)から休業要請解除。都道府県をまたぐ移動も自粛要請解除となった初日。

予約時間にドアを開けると、私が最初の客。カウンタは入り口に2人一組。2席おいて私の席が中央。そこより奥の席は予約なし。元々席の間は広い造りだが、ソーシャル・ディスタンス完璧である(笑)笹田氏によると今日は個室が2組入っており、手が回らないのでこれ以上予約を取らなかったと。

そういえば入り口側に立っていた2番目の弟子がいない。4月で辞めたとの事。中で働く弟子は「笹田の海老蔵」一人だけに。コロナの行く末も未知数なのでまだ補充はかけないつもりだとのこと。辞めた二番弟子は先付けの盛り付けや飲み物出しなどを担当しており、海老蔵は奥の焼き場に専念していたのだが、この日は手前と奥とを往復して忙しい。

のんびりと酒を飲みながら、笹田氏と奥さんと、コロナ下での話など。4月5月は自粛で店を閉め、ずっと家に居たとのこと。スーパーに買い物に行ったり、自宅で料理作るのも新鮮な体験だったが、スーパーではやはり魚は買う気にならなかった由。確かに毎日豊洲の魚河岸で良い魚の目利きをしていると、スーパーで魚を買う気にはならないかもしれない。

2ヶ月の休業は大変だったが、持続化給付金も都の休業協力補償金も申請して貰ったとの事。大家も家賃をちょっとだけまけてくれたらしい。店を出している仲間に聞いても家賃を減額してくれた大家は居なかったと。良い大家の所に入ったな(笑)客足は戻りつつあるのだが、会社の接待はまだ復活していないと。そうだろうなあ。

お酒は九平次純米大吟醸。ふくよかな米の旨味と爽やかな酸味。まずウニ湯葉ゼリー。冷たさが涼やかな一品。鯛の出汁かな。

焼き霜の鱧。直前に肉厚の身をシャリンシャリンと骨切りをして皮目を軽く炙る。鱧は天草のもの。脂も旨味も乗っており、皮目の香ばしさもよい。梅肉醤油と塩を添えて。「海老蔵」にコロナでちょっと太ったのではと聞くと「ちょっとどころではないです」と。貫禄が出て、若き日の梅宮辰夫風味も出てきた。

穴子八幡巻。パリパリ香ばしく焼いた穴子の甘い脂が牛蒡の野趣あふれる香りとよく合う。合鴨のロースト。冬場で治部煮は出た事があるが、それ以外で合鴨は珍しいかも。癖はないが鶏とは違う濃い旨味。

定番の壬生菜と油揚煮物はいつも通りのほっとする味。ここで先付けは終了。

お造りは、噴火湾のマグロ、明石の鯛、スミイカ。鯛は若干小型との事だが、ここが入れる明石の鯛は何時でも旨味が乗って感心する。マグロは難しい時期だがしっとりした旨味あり。スミイカも甘みあり上質。

お椀は牡丹鱧とじゅん菜。お椀の中で牡丹の花のように鱧の身が広がる。鱧の脂が上品な出汁に溶けふっくらした身が旨味と共に椀の中に溶け崩れる。

焼き物は、鮎塩焼き。じっくり焼いて頭からバリバリいける。静岡と島根の川から一匹ずつ。静岡の鮎は「京味」が常に使っていたもので「笹田」では使うのを遠慮していたのだが、「京味」閉店に伴い釣り人から売り込みがあったので入れたのだという。島根の鮎は例年入っているが、腹の清冽な香りは島根のほうが強いだろうか。身の淡い旨味なら静岡かなあ。蓼酢が鮮やかな酸味。

煮物は賀茂茄子と海老の炊き合わせ、冷製で。ナスは大ぶりだが、出汁の旨味を一杯に含んで実に柔らかく炊きあがっている。

焙茶が出て、食事は炊飯土釜で炊き立てのご飯。ぬか床から出したばかりのお新香を切り、わさび漬けを添える。ちりめん山椒、牛肉の旨煮、赤だしを添えて。炊き立てのご飯に勝る食事は無いなあ(笑)ご飯はお焦げを入れてもらってお替り一膳。

食事の後は煎茶が出て、定番の冷製白玉ぜんざい。甘いものは得意ではないが、ここのあずきは豆の旨味を残した程よい甘さで実に旨い。

自粛生活2ヶ月半。寿司屋に何度か行った以外で、久々に真に旨いものを食したと、しみじみ実感。まだまだ昔の通りの生活には戻れないが、ボチボチとペースをもどしてゆかねば。ご夫妻の見送りを受けて、小雨の中を帰路に。


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