97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「許永中 日本の闇を背負い続けた男」
日本では、本屋がいたるところにあり、いつでも気軽に寄れるのが実によいところ。「許永中 日本の闇を背負い続けた男」は、日本で読了。

「反転~闇社会の守護神と呼ばれて」にも、バブルを飾る人物群像のひとりとして、許永中の不思議な人間像が興味深く描かれていたのだが、この本は、対象を許永中一人に絞って、その一代記を描くノンフィクション。

「バブル」とは、物や権利の値段が、正当な価格を遥かに逸脱して高騰する現象。このような異常な環境下では、なんらかの力を使って、普通とは違うタイミングや価値で取引を行うだけで、巨万の差益を得ることが可能となる。

この本でよく繰り返される台詞に、「XXさんに頼んでみよう」というのがある。政治権力や、貸し借りや、暴力への恐れを使い、普通でない取引を模索する時の闇紳士達の常道である。どれだけ力のある人脈を掴んでいるかで、儲けに大きな差が出てくる。

この本に出てくる許永中は、実に多彩な人脈を駆使して、様々なバブルの闇に絡んでいる。しかし、闇の背景がすべて解明されているかというと、残念ながら、そうは言いかねるところも。おそらく、彼の潜む闇はあまりにも深く、光を当てても底にまで届かない部分もあるに違いない。許永中にまつわるバブルの余禄のうち、かなりの部分が、韓国に流れていることを示唆する部分など、実に興味深いのだが。

彼にまつわる個人的なエピソードの部分も、なかなか面白い。細心だが小心ではない。悪漢だが卑劣ではない。アンビバレントで魅力的な断片的横顔。これこそがこの男の複雑な正体である、とは言い切れないが、しかし、ひとつの許永中像としてきちんと成立しているのであった。

関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック