97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
Legion of Honor 訪問記録(続き)
土曜日に訪問した、San Franciscoの「Legion of Honor」。昨日に続き、ブラブラ巡って印象に残った作品などを備忘としてここに記録。

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館内には、海外以外に彫刻や工芸品、家具なども取り混ぜて展示されている。これ見て思い出したのは、諸星大二郎の「生物都市」。 実際には、Medardo Rossoという人の「The Golden Age」という作品。

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Adam Pynackeの「Annunciation to the shepherds」。ルカ福音書にある、荒野の羊飼いに精霊が顕現して、救世主の誕生を告げる場面。聖なる幻想と狂気との違いはどこにあるのか。本当に空にこんなのが現れたらびっくりするだろうなあ。

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伝Hans Cranach(1503-1537)のユディト。ユダヤ外典にある物語。アッシリア軍に包囲されたユダヤの町から、寡婦ユディトが敵陣に赴く。敵の司令官ホロフェルネスと同衾した後、眠り込んだ敵将の首を切り、夜に紛れて町に戻る。敵軍の崩壊とユダヤの勝利。淑女と娼婦の狭間に鮮やかに浮かび上がる聖女のイメージは、いたく人の心を捉えたとみえて、数々の宗教画に描かれてきた。

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Willian Adolphe Bouguereauの「The Broken Pitcher」(1891年)。この絵は、この美術館のリーフレット表紙にも掲載された目玉作品。Bouguereauは、古典的な画を描いた人で、「ビーナスの誕生」などの宗教画も有名。

解説によると、18世紀の画家、Jean-Baptiste Greuzeの同名の絵を下敷きとしているのだが、「Broken Pitcher」の持つ性的な暗示が、この絵では更に明らかなのだとか。調べるに、「Broken Pitcher(壊れた水差し)」は、処女性の喪失や、性的な不品行の寓意なのだそうである。そう思って見ると、確かに単に農村の少女を描いただけではないにも思える。西欧絵画の寓意というのは、なかなかこう、パッと見ただけでは分からないものがある。

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1500年頃。氏名不詳のチロル地方の画家の作。最後の審判の後、地獄に落ちた者達への責め苦を描く。ヒエロニムス・ボスをちょっと思い出す。この手の宗教画は、細部に何が描かれているのか、ついつい熱心に見てしまう。

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この美術館は、マックス・クリンガーのエッチング画も多数所蔵。クリンガーは、ドイツの彫刻・版画家。いわゆるSymbolistの系譜に連なる。宗教や神話に題材を採りつつ、幻想と現実が交錯するシニカルなタッチで描く社会と人間が印象的。以前、上野の西洋美術館でも企画展が開かれていたのを思い出した。

さほど広い美術館でもないので、ほぼ全館を回ったのだが、小品が多いものの、なかなか面白い。また暇があったら再訪しよう。
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