97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
阿修羅展、そして「百億の昼と千億の夜」
東京、上野公園の東京国立博物館で開催中の「国宝 阿修羅展」の来場者が80万人を突破。同館の日本美術展としては、史上最高の入場人数に達したとのニュース。凄いなあ。

私も、先日の、日本一時帰国時、訪問するかと平日朝に上野に行ったのだが、これが既にJRの駅からとんでもない人出。これはイカンと、サッサと諦めて予定を変更したのだった。どうも、並んでまで美術館に入るのは苦手だ。

しかし、ずいぶん昔だが、奈良の興福寺を訪ねて、宝物殿のガラスの向こうで、この阿修羅像に対面、ずいぶん長い時間を過ごした事がある。あの時は平日でもあったが、館内はガランと静かで実に空いていた。まあ、上野で1時間並ぶなら、奈良に行くほうを選ぶなあ。

阿修羅は、そもそも古代インドの伝承でアスラと呼ばれた軍神。仏教に、八部衆として古代インドの軍神達伝説が流入し、興福寺に所蔵された群像のひとつに。

インドの古代伝説が、仏教というフィルターを通り、中国を経由して長い旅をして日本まで来た悠久の歴史。阿修羅は最後に釈迦に帰依し、仏滅の時にもその場に居たとの伝承がある。この仏像は、少年にも少女にも見える立ち姿に、憂いとも哀しみとも、あるいは怒りともとれる、静かな表情をたたえている古今の名作。

日本SF黎明期の巨人、光瀬龍が、宇宙の始まりから、その熱的死までの目がくらむような壮大なタイム・スパンで、人間とは何か、神とは何か、救いとは何かを追及した、渾身の記念碑的名作SF、「百億の昼と千億の夜」は、萩尾望都が同名のこれまた素晴らしい漫画にしているのであるが、ここに出てくる「阿修羅」は、明らかにこの像をモデルにしている。この阿修羅像が好きなら必見の名作である。

どんな美術や歴史の教科書にも載っている実に有名な像であるが、その像は、遥かな時を超え、今でもその前に立つ人々を魅了し、様々なインスパイアを与え続けている。素晴らしい美術の持つ、時を越える凄まじいまでの力。そのうち、また奈良を訪ねたいなあ。
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