97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
高速無料化で笑うのは役人
今月号の文藝春秋に、猪瀬直樹が書いた「高速無料化 最後に笑うのは役人だ」という記事が掲載されている。

民主党のマニフェスト、「高速道路無料化」を実行すると、道路公団民営化が破綻する。結局、そのツケは税金でまかなうことに。再び役人が権勢をふるい、見えないところであれこれやるようになり、せっかく可視化した高速道路運営が元の木阿弥に。結果的には国民負担が多大に増えるだろうと言うのだが。

猪瀬によると、高速道路会社6社の年間売上は2.6兆円(うち首都・阪神高速が0.5兆円)。しかし、この6社は旧公団時代の負債を40兆円かかえており、これを45年かけて返済中。(完済までにあと41年)もしも高速を無料にしたら、2兆円の売上が吹き飛び、借金返済が不能になるのだという。

しかし、高速道路無料化論は、今に始まった訳ではなく、何十年も前から説かれていた。諸外国には日本のように何万円も料金を課すような有料道路は無い。料金徴収しても、建築費の回収が終われば無料化にするのが世界の常識。日本もそうやるべきだ、という話だったはずだ。

確かにアメリカでは料金取る道路が例外的。サンフランシスコ湾の橋でも、渡る料金は数ドル。シカゴ郊外のI-90はたったの80セント。日本の高速料金の高さは、やはり常軌を逸している。

東名高速などは、最初の建築費が税金ではなく、世界銀行からの融資に依ったから有料なのだという説がある。しかし、東名全線開通からもう40年。他の道路も合わせて、(現時点で年間2.6兆円の規模に及ぶ)料金をもう何十年も徴収しているのである。いくらなんでも、そろそろ初期投資の回収くらいは終わっていると思うのが道理だが、実はまだ借金が40兆円あります。なんじゃそれは??

重い岩をようやく山頂まで押し上げると、また岩はゴロゴロと下に落ちてゆく。まるで「シジフォスの神話」のように、我々は高速道路に永久に貢ぎ続けなくてはいけない。どう考えてもおかしいよなあ。

借金の理由は、猪瀬も記事で述べてる通り、政治家と道路官僚が、採算の取れない道路を次々に高いコストで作り、公団ファミリー企業に高速関連の仕事を高い料金で丸投げ契約するなど、道路を食い物にして、好き放題に無駄使いしてきたから。

自民党は、民主党の「高速無料化」政策を、「バラマキ」と批判しているが、道路行政に、何十年も湯水のように無駄な金をバラマキ、40兆円という天文学的借金を作ったのは、自民党と道路官僚。この放漫経営で作った借金の責任はどうなる。本来、自民党は、民主党の政策を批判できる偉そうな立場にないのでは。

まあ、借金返済があと41年あるから、無料化が不可能というのなら、それはそれでしかたない。しかし、この積年の借金の責任は、やはり自民党に取ってもらわねば。今度の選挙で、自民党の道路族議員には軒並み落選してもらい、自民党には政権の座を下りてもらう。これで、ずいぶん道路行政も変わってくるのではないか。(もっとも、霞ヶ関をどうするか考えないと、結局最後に笑うのは役人ということになるのだが)

無料化は絵に描いた餅にしても、高速料金以外に、ガソリン税や重量税などの道路関係税金は他に2兆円規模と言われる。重要な社会インフラの受益者負担として、どんな考えが適正なのか、「高速無料化」を超えて、もっと根本的な議論がされてしかるべきだ。

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