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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
村上春樹は、「1Q84 BOOK3」執筆中
ホノルルでも一度読んだのだが、「1Q84」を再読。

平易で軽やかな文体というのは、やはり、吟味を重ねた推敲から生まれるのだろう。天吾がふかえりの文章をリライトする描写には、村上春樹自身の執筆態度が投影されているような気がする。

青豆、天吾、タマル、さきがけの教祖。登場人物はみんな魅力的なエッジを持って立ち上がっている。ただまあ、登場人物が全員、音楽や歴史に関する物知りで、気の効いた台詞をしゃべり、全員が村上春樹臭いのは、まあ村上春樹が書いてるのだから当然といえば当然か。セックス描写は、ちょっと多すぎるのではとも思うけれども、物語に不思議な熱気を与えているのは事実。

ヤマギシ会やエホバの証人を思わせる団体など、現実世界が物語世界と実に微妙に交錯して、その世界にみつかる小さな齟齬が語られながら、青豆と天吾の物語が次第に求め合うように重なり始める。小説の展開は実にサスペンスにあふれ、思わず一気に作品世界に引き込まれてゆく。

リトル・ピープルとは何か、この物語に何を読み取るか、深く追求するとなかなか難しいが、語られた物語を最後まで一気に読ませるだけでも、この作品は素晴らしい小説として立派に成立している。

村上春樹はオウムを念頭に置いて教団「さきがけ」を描いたようだが、教祖の描写を読んで、なぜか「神秘の次元」を書いた、バクワン・シュリ・ラジニーシを思い出した。まあ、オウムの麻原にしても、最初からあんなクソ豚であった訳はなく、グル(導師)として、圧倒的な存在感を持って光っていた時もあったのだろうけれども。

2回目も一気に読了したが、BOOK2の結末では、伏線が全て回収されず、やはり物語は途中で放り出されているようにも思える。あるいは、更に別の物語がここから始まるのだろうか。

そんなことを考えてたら、毎日新聞の著者インタビューで、村上春樹は、現在、第3部を執筆中と語っている。やはり、この物語にはまだ続きがある。青豆と天吾の物語も、ひょっとしてまだ終わっていないのだろうか。

年号が題名であり、3ヶ月ごとに表題がつけられているのだから、本来はBOOK4まで続くのでは、とも思えるのだが。
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