97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
オーパス・ワン(Opus One) 訪問記
日曜にナパ・バレーのワイナリーを訪問。ベイエリアには、前回駐在と通算で4年以上住んだことになるが、ナパのゴルフ場に行ったことはあるものの、実はワイナリーに行くのは初めて。

せっかくなので一番の有名どころ、オーパス・ワン(Opus One)のツアーを事前に電話で申し込んだ。昔は予約無しでも立ち寄れたが、システムが変わり、電話で事前予約しないと案内してくれないことになったようだ。電話すると、ギャランティのクレジット・カード番号まで聞かれるから、結構厳重な管理である。

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ナパを描いた日本の映画「サイドウェイズ」にも出てきたという、29号線のグロサリー・ストアを越えてちょっといったところがOpus Oneの入り口。

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古墳のような盛り土の上、まさに神殿のようなライムストーン(石灰岩)でできた建物が屹立する。ゆるい傾斜の階段を登り、正面の大きなドアに近づくと、静かな弦楽奏が聞こえてくる。

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入り口のコンソルジェに予約を伝えると、横の控え室で待つように言われて、暖炉を囲んで案内者を待つ。実に広々とした豪華な部屋。この日、10時半のツアーは3組しか予約取っておらず、ずいぶんプライベートな雰囲気。

ほどなく眼鏡かけた髭の男性案内役が登場。まずはソファーに座って、Opus Oneの歴史を聞く。

フランスのシャトー・ムートン・ロートシルトと、ナパのロバート・モンダヴィが、カベルネ・ソーヴィニヨンに基づくボルドー産に匹敵する高級ワインを造るため、1979年に興した合弁事業。もっとも設立者のご両人は既にどちらも他界しており、資本関係には変動あり。しかし、たったひとつのブランドだけを生産する超高級ワイナリーとして、今でも事業の独立性は保たれているのだとか。

Opus Oneとは音楽用語で「作品番号一番」。ボルドーの技術とナパの風土のコラボレーションが生み出した、最初の、そして唯一無二の作品という意味が込められている。

最初に生産したワインに、前評判だけでオークションで高値がついたことなど興味深く聞く。歴史の説明が終わった後、部屋を出て、案内はまず建物の外部から。ライムストーンを使った建物の設計や、使われた木の素材などには、ボルドーのシャトーの伝統が反映されているのだと。

建物内部、醸造の現場では、葡萄の収穫時期の決断や選別の難しさ、夜中の3時から始まる収穫、破砕の後の葡萄果汁が、軸や種を傷つけて雑味を出さないよう、ポンプを使わず重力だけで流れてゆくシステムになってることなどの説明。

イーストによる発酵で、葡萄の糖分がアルコールに変化するのだが、大きなタンク内の糖分が全てアルコールに変わるまで、5日ほどしかかからないというのも驚き。

西オーストラリアのワイナリーに行ったことはあるが、ワインの製造過程について説明を聞くのは、実はまったく初めて。知ってる人には当たり前の事だろうが、全てが実に興味深いなあ。

窓から葡萄畑を一望しての説明では、霜が降りる際には送風機で空気を攪拌して凍結を防ぎ、暑くなる時にはスプリンクラーで水を撒いて冷やす等、葡萄畑管理の大変さを。ナパは葡萄生産に適した地であると言われるが、気候は年によって変動しており、早春の霜や夏から秋にかけての天候不順などが生産量に大きく影響する。

Opus Oneの生産量は、最大でも30万本程度。生産量が少ない年は20万本程度にまで落ちる年もあるらしい。60カ国に輸出されているというから、やはり貴重品である。

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そして地下には、一度しか使わないフレンチ・オーク樽に詰められ、セラーに眠る、2009年に収穫された葡萄から作られたワイン。このセラー横が試飲のスペースになっている。

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試飲で開けられたのは、今年リリースされたばかりの2006年のボトル。2007年から2009年は、まだ発売されずに、ここに眠っていることになる。葡萄としてはCaberne Sauvignon が9割近くを占めるが、Caberne FrancやMerlotもブレンドされている。ビロードのような柔らかな口当たり、芳醇な香りとともになめらかに口中を流れてゆく。もっと濃いかと想像していたが、大変に上品な味。Fine Wine Houseのページで確認すると、2006年の小売値は1本149ドル。本来は飲み頃まで待つのだろうが、やはり高いもんですな。

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試飲の後、建物屋上のテラスに登って葡萄畑を。あいにくと天気が悪く、あまり見通しは効かない。先月全ての収穫が終わった葡萄畑は、雨に煙っているのだった。

その後、近隣の、ドメーヌ・シャンドン(Domaine Chandon)に移動。ここは、「ドンペリ」でも有名なフランスのモエ・エ・シャンドン社がナパに設立したワイナリー。ワイナリー内にあるレストランetoileで、サンデー・ブランチを。

昼間だが、ロゼのスパークリング・ワインを頼み、スターターに生牡蠣とフォアグラソテー、ビーフのタルタルをシェア。その後、グラスのピノ・ノワールに切り替え、メインにはウサギ肉のローストを。さすがにナパのレストランだけあって、どのテーブルにも昼間からシャンパングラスやワイングラスが並ぶのが壮観。 昼間から飲んで実によい気分。たまにはナパに遊びに来るのもよいなあ。

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