97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
住まいの解剖図鑑
日本で本屋をブラブラしてる時に見つけて購入した、「住まいの解剖図鑑~心地よい住宅を設計する仕組み」読了。

住宅の設計者であり、大学でも教鞭を取る著者が、大学で建築設計を学ぶ初学者、実際の設計を始めたばかりの実務家、これから自分の家を建てようとしている人などを対象にして、住宅設計の基本を平易に解説する本。

とはいっても学術書ではなく、ごく普通の住宅の、当たり前と思って見過ごしてしまう何気ないデザインや配置にも、古くからの先人の知恵や、基本として伝承されてきた約束事や理論があることを、様々な事例と分かりやすいイラストを元に解説してある。

表現にも工夫が凝らされ、肩のこらない平易な文章と、的確な事例分類によって、まったく住宅設計の知識のない人にでも、住宅というものの設計には、こんな知恵が反映されているのだと分かるように解説してある。

ポーチや玄関は、どんな形であればよいか。階段が部屋のプラニングに与える重要性。ドアのつけかたはどれが正しいか。キッチンのシンクや機器回りの配列には順序がある話。敷地と建物の位置の基本、窓の基本などなど。パラパラと、どこから読んでも実に興味深い事例が並んでいる。

私自身は、建築を学んだこともないし、これから家を建てる計画もないのだが、日本で住んでた集合住宅を思い出して、なるほど、私の部屋の浴室と洗面所の位置はこうなってたな、とか、ドアは確かにこんな風についてた、とか、そうそう、玄関はこうなってた等と、この本と照らし合わせて思い出すと、住宅の間取りの基本というものが随所で腑に落ちて、十分楽しめる。

自分で家をこれから建てようという人には、知っておくべきことがあれこれ分かって更に面白いだろう。人間の住居というものを解剖して、その設計に潜んだ知恵に光を当てる、センス・オヴ・ワンダーに満ちた本。もちろん、専門家にとっては既知の事ばかりなのだろうが、住宅設計というのも、実に興味深い。

アマゾンの検索では、建築関連の本などまず調べないから、日本で本屋を歩かなければ、この本に出会うことはまずなかっただろう。やはり、いくらネット販売が進展しても、本屋をブラブラして、平積みを見て歩く事こそが読書の醍醐味。日本にいた時は、週に何度も本屋に寄ったものだが、アメリカに住んでると、その点がどうにも歯がゆいのだなあ。


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