97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
豊田社長の公聴会をTVで見る
昨夜は、トヨタ社長が出席した米下院の公聴会のTV中継を見た。昼に行われたものだが、C-SPANで夜に録画再放送。豊田社長は最初の証言だけは英語原稿を読み上げたが、あとは日本語でしゃべり横についた通訳が英訳して回答。耳にはイヤホンをつけてるから、英語→日本語の同時通訳も入ってるようだ。

トヨタ北米社の社長は日本人だが、米国駐在が長いようで、通訳使わず英語で答弁。各州選出の議員が入れ替わりで席に座っては、あれこれ質問する。

「この尋問(Interrogation)のような場所に出て来るのは、なかなかできることではありません。あなたはアメリカで勇気というバッジを手に入れたのですよ」とペンシルバニア選出のジイサマ議員が語ったように、アメリカ人はFairnessを重視するし、他者の勇気も率直に評価するところがある。やはり日本からわざわざ出席したことには意味があっただろう。

ダグラス・グラマン事件で日本の国会に証人喚問された、日商岩井、海部八郎副社長は、手が震えて宣誓書にサインできなかった。リコール問題を追求され、まさに四面楚歌状態のアメリカ公聴会に出席して証言するというのは、想像もつかない大変なプレッシャー。それにしては、豊田社長は冷静な受け答えで、あまり動揺も見られない。なかなか偉いものである。

ただ、さすがに通訳の限界か、答弁にところどころ的外れな部分があり、苛立った議員がいたのも事実。即座に強い否定をしなければいけない質問に対して、関係ないことを長々と答える。「違う違う、聞いてるのはそれじゃないんだよ」と思わず声をかけたくなった部分もあり。

通訳も優秀なのをつけてると思うのだが、議員の中には、質問ではなく、演説のようなスピーチから入って、最後の部分だけが質問という人も多い。最初から逐語訳をしてゆくと、途中で肝心な質問の文脈を見失う時があるのだろう。もっとも、私も他人事として呑気にTVで見てるから理解できる訳で、公聴会に引きずりだされて質問されたら、果たして冷静に理解できるかどうか。

思うに、逐語訳の同時通訳ももちろんあったほうがよいが、横に英語に堪能で会社の事も分る戦略家がついて、質問を短く意訳してやればよかったのではないか。

余計な部分は全部省いて、「アメリカだけに他国より緩い安全基準を適用してるのかと聞いてます」、「アメリカの消費者を軽視してるのかと聞いてます」、「電子制御システムが事故の原因と分かってるのに隠してるだろうと聞いてます」、こんな風に短く伝えたら、豊田社長からも、「とんでもない」と強い否定の言葉が出ただろうし、そのほうがインパクトあったのだが。

もっとも、プロの通訳というのは、何もつけたさず、何も省略せず正確に伝えるのが仕事。このような役割を求めるのはなかなか難しい。北米トヨタ社長も何度か割って入って補佐していたが、質問をもう少し端的に日本語で伝えてあげたほうがよかったような。

北米トヨタの社長は、自分の意見をきちんと英語で伝えることができるが、それでもやはり、リークされたトヨタ北米社の内部資料に関する回答は、若干モタモタしていた。ヘタすると怪しいと思われてしまう。「これは私へのプレゼンであって、私のプレゼンではない。書かれた文章は私の意見ではないし、トヨタの意見でもない」。真っ先にそんな風に強く否定するべきだと思ったが、この部分ではちょっと紛糾した感あり。

まあ、しかし、全体に大きな失敗といえる部分はなく、厳しい追求に火だるまになることもなかった。疑念が晴れた訳ではないが、トヨタ本社の社長が日本から謝罪に来たということで、一定の成果を挙げたと言えるのではないだろうか。

余談ながら、豊田社長の経歴を見ると、アメリカに留学経験あり、MBAも取得している。その割には、議員の発言聞いてもイマイチ質問が理解できてない様子だったが、そこがちょっと不思議だったなあ。まあ、公聴会の雰囲気の中ではしかたないが。

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