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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」
水木しげるの奥さんを描いた「ゲゲゲの女房」がNHKでドラマ化されるらしい。それに合わせた訳でもないだろうが、水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫、それぞれの娘達が親父を語った、「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」という座談会の記録が出版されている。

この題名は、対談を企画した朝日新聞の記者が思いついたのだそうであるが、なかなか名作で語呂がよい。赤塚作品に出てくる「レレレのおじさん」と、手塚アニメの代表作「鉄腕アトム」の主題歌の一節「ららら科学の子」から取られているのだ。

この中では、若い世代には「らららの娘」が一番ピンと来ないだろうか。鉄腕アトムは、アメリカ映画でもCGアニメーションで「アストロ・ボーイ」として昨年リメイクされたが、私自身もあまり日本のTV放映を見た記憶無し。調べてみると初アニメ化が1963年というから、ずいぶん昔の作品なのである。

真面目な仕事一筋の手塚、面白い事は何でも大好きで遊び一筋の赤塚、妖怪大好きで不思議な人間の水木と、三者三様の仕事ぶりや私生活を実の娘が語るという趣向がなかなか面白い。

そして実の娘だけになんというか、語ることがある意味父親に対して遠慮が無い。大人になるまで父親が何をやってるかには興味なく、世間からずいぶんもてはやされるのは不思議だったという感想はみんな共通。「だってただの父親だから」と全員が語る。預言者は郷里には受け入れられないと言うが、世間では金字塔を打ち立てた漫画家であっても、彼女らにとっては単なる家族に過ぎないのが現実。

水木しげるは昔お金がなかったそうだが、手塚と赤塚は若くして大成功し、その娘達の経歴や語ることを読んでも、昔からお金には何不自由なく育ったお嬢様であることが分かる。水木はまだ存命だが、手塚、赤塚の娘達は、父親の遺産を管理するのが仕事という感じでもある。まあ恵まれた立場。

もっとも、赤塚不二夫の娘は大変な目にあっている。赤塚不二夫の破天荒な生活やその素顔については、「赤塚不二夫のおコトバ~マンガ人生50周年記念出版」や、「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」などの優れた著作でこれまでに紹介されている。しかしこの本で実の娘が語る、3つ上の父親愛人と一緒の海外ツアーに、17歳の時に連れて行かれたというエピソードについては、赤塚は本当に無茶やってたんだなと驚嘆。

手塚の仕事一辺倒ぶりや水木の変人ぶりも、実の娘の口から語られると、実に興味深い陰影を持って人物像が立ち上がってくるのだった。

普通の家庭の場合、父親というのはどんな仕事をやってたのか、何を考えてたのか、どんな嗜好があったのか、大抵は、ほとんど詳しく知ることもなく、子供達は成人して、いつしか家庭から巣立って行く。彼女達の父親が、幾多の名作を残した著名な漫画家であったからこそ、娘達がその没後も父親を語れる材料が数多く残されているのだが、なんだかうらやましいような気のする、なかなか面白い対談であった。




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